阪神ジュベナイルフィリーズ

阪神ジュベナイルＦ

2001/12/02　阪神競馬場　G1　芝1600m

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■ レース展望

■ 出走有力馬

: ３ヶ月半ぶりのファンタジーＳは１枠を引き、終始馬場の悪い内々を走って、直線で外に持ち出しながら鋭く伸びて２着。プラス１４キロの余裕残しの仕上げで、これだけ走れるのは能力以外の何ものでもない。バランスのいい馬体と走る馬の顔つきからも素質の高さを感じさせる。ひと叩きされて、状態面はアップしているようなので、今回も期待できそうだ。不利さえなければ、上位争い必死だろう。今回も武豊騎手が騎乗する。

: 札幌２歳Ｓで直線抜け出し勝ちパターンに持ち込んだが、最後ヤマノブリザードに差されて惜しい２着。牡馬相手に正攻法のレースで２着した実績を評価したい。競馬センスのいい馬で、ブレのない走法、バランスのいい馬体からも素質を感じさせる。ナリタブライアン産駒の最後の世代だけに頑張ってもらいたい。

: ファンタジーＳを制し４戦４勝。調教の動きが物足りず、馬体も太く見えたので敢えて無印にしたが、レース当日はマイナス１２キロと絞れて気配が良かったのが誤算。元々腹袋が大きなタイプなので調教の動きと合わせて太く見えたようだ。馬体が絞れ、見栄えのする馬体になってきたので、今回は一転して上位に評価したい。ただし、距離延長と開幕週の高速馬場をこなせるかが課題だろう。正直なところ走ってみないと分からないが、レースまでにどこまで突き詰められるか、調教、馬体を隈なくチェックして結論を出したい。

: ファンタジーＳは外々を回るロスの大きい競馬で４着。久々で馬体に張りがなかったが、叩かれて徐々に張りが増してきており、前走からの上積みが感じられる。ただし馬体が少し硬い感じで、特に前脚の捌きが硬いのが少し気になるところ。どこが悪いのではなく、この硬さがこの馬の馬体の特徴ということを付け加えておく。馬体の作りは非常に目立つので、スムーズなレースができれば上位争いできるだろう。今回は横山典騎手からデムーロ騎手に乗り替わる。この馬には追える騎手が合いそうだが、陣営もそうみているようだ。

: 新馬戦は後方から追い込み、２戦目は２番手から抜け出して楽勝とレースぶりに幅があるのがいいところ。馬体はまだ仕上がり途上で若さが残るが、競馬センスがいいのでそれほど見劣らない感じもするがどうだろう。２戦目が重馬場のためにインパクトがあまりなかったので、そのあたりをどう評価するかがポイントになりそうだ。

: 小倉２歳Ｓで最後方から怒涛の追い込みを決めたのが印象的。ファンタジーＳは、プラス１６キロと道中の不利もあって１０着に敗れただけに評価は下げられない。今回はＧ１－２連勝中のペリエ騎手。前崩れの流れになれば一発ありそうだ。

■　ステップレース　

日付	レース	１着馬	２着馬
2001/09/02	新潟２歳Ｓ	バランスオブゲーム	スターエルドラード
2001/09/02	小倉２歳Ｓ	タムロチェリー	オースミエルスト
2001/09/22	札幌２歳Ｓ	ヤマノブリザード	マイネヴィータ
2001/10/13	デイリー杯２歳Ｓ	ファストタテヤマ	ホーマンウイナー
2001/11/04	ファンタジーＳ	キタサンヒボタン	ツルマルグラマー
2001/11/10	京王杯２歳Ｓ	シベリアンメドウ	アグネスソニック
2001/11/17	東京スポーツ杯２歳Ｓ	アドマイヤマックス	マチカネアカツキ

■ 過去のレース結果　

日付	１着馬	２着馬	馬連配当
１９９６年	メジロドーベル	シーズプリンセス	１，５５０円
１９９７年	アインブライド	キュンティア	６，０００円
１９９８年	スティンガー	エイシンレマーズ	１５，４３０円
１９９９年	ヤマカツスズラン	ゲイリーファンキー	１，３３０円
２０００年	テイエムオーシャン	ダイワルージュ	３，１４０円

■ 調教診断

: 栗坂で一杯に追われて、調教駆けするモノポライザーに必死に喰らいついて、５１．５秒の好タイムを出した。追われてからもしっかりした脚捌きで、ふらついた前走より確実に良化した印象。ひと叩きされたことで馬体が引き締まり、脚捌きに力強さが出てきたのがいい。ほぼ万全のデキで出走できそうだ。

: 栗ＣＷで一杯に追われて、重心の低い走りで最後までしっかり伸びた。前半飛ばしたのでラストは１３．１秒と掛かったが、脚捌き、気配は前走よりいい感じ。関東馬だが、早めに栗東入りして調整してきた甲斐あって、馬も落ち着いており状態は良さそうだ。この仕上がりなら力を出せるだろう。

: 栗坂で同厩舎のヘルスウォールと併せて強めに追われ、最後まで手応え優勢で力強い動きを見せた。太かった前走を叩かれて馬体、走りともに一変。元々大物感がある馬体だが、今回は非常に良く見せている。前脚の掻き込みが鋭いところを特に評価したい。

: 栗坂でオメガグレイスを併せて、最後まできっちり伸びた。手応えでは劣ったが、前走より動きに鋭さが出てきたのが好印象で今回の方が走れるデキ。前脚の捌きが少し硬いが、これはこの馬の特徴。現時点の仕上がりはいいので、それほど気にしなくて良いだろう。力を出せるデキと判断する。

: 栗ＤＷで一杯に追われて、回転の速いフットワークでバネの利いた走りを見せた。最後まで脚色が衰えずにラスト１Ｆは１１．９秒の切れ味。前走は坂路でいい動きも見せたが、今回も調子は良さそうだ。

: 栗坂で一杯に追われて、力強い脚捌きで併せた馬と併入した。前走は重め残りだった馬体も少し絞れた感じで前走より良化している。今回はペリエ騎手が騎乗するということで陣営もビッシリ追い切ったが、馬もそれに応えるかのように動いた。この馬なりに好仕上がりといった感じだ。

: 栗ＤＷで一杯に追われたが、ファンタジーＳ同様、もっさりした動きで強調材料はない。調教駆けしないタイプなので、これで評価を下げれないのは前走で分かったが、それにしても動きに迫力が感じられない。今回は調教での加点減点はしないで、これまでの４走での走りから予想することとしたい。

■ 相馬眼予想

　今年から阪神ジュベナイルフィリーズと名前が変わったが、昨年同様１８頭のメンバーが揃って混戦模様。岡部騎手が以前このレース称して幼稚園の運動会と話したことがあったが、レース経験の少ない若駒のレースを端的に掴んだ言葉として今も記憶に残っている。さあ今年はどんな戦いになるのだろうか。昨年の覇者テイエムオーシャンは、クラシック２冠を取っただけに今年も大物の出現を期待したくなる人も多いだろう。１８頭の多頭数でごちゃつきそうだが、全馬無事に力を出し切るレースをしてもらいたいものだ。

　前日人気で１番人気は４戦４勝のキタサンヒボタン、２番人気にマイル２戦２勝のオースミコスモ、３番人気にツルマルグラマーが続いている。オッズは１番人気で４．０倍となっており、人気は割れている。これまで４勝馬の出走は１度もなく、キタサンヒボタンの４戦４勝の実績は断然と言える。ただし、距離が１４００ｍまでしか経験がないところがやはり気になるところだ。後述する調教でもお世辞にもいい動きとは言えないだけにどう評価したらいいのは正直難しい。この馬をどう考えるかというのが、予想する上での１番のポイントだろう。

　武豊騎手が騎乗するツルマルグラマーはもっと人気になると思われたが、大外１８番枠が嫌われたのだろう。阪神１６００ｍは、２コーナーのポケットからスタートし、すぐにコーナーに差し掛かるので、外枠はコースロスが大きく決して有利とは言えない。阪神１６００ｍの大外といえば桜花賞のシャダイカグラを思い出す人も多いだろう。武豊騎手がわざとかどうかは未だ謎だが、出遅れた後に内に進路を取り馬群に突っ込んで行って勝利を収めたのは衝撃的な出来事だった。実は、武豊騎手は昨年も３番人気のタカラサイレンスで大外枠を引いたが、後方から大外を捲くって５着に敗れている。今年はどんな作戦で臨んでくるのだろうか。昨年は豊マジックを持ってしても無理と判断して無印にしたが、今年は馬が違うので無視するわけにはいかないだろう。

　まず阪神の馬場だが、開幕週で芝の状態は絶好で、土曜日の２歳未勝利戦で１分２１秒２のレコードタイムが出たように早いタイムが出ている。また、前に行った馬が止まらないレースが目立っていた。ペースが上がらないと後方からの馬はよほど切れる脚がないと差し切るのは難しいようだ。ペース次第で差し馬が狙えるかどうかという意識で予想すればいいだろう。

　次に各馬の調子だが、ツルマルグラマーが前走から一変した動きを見せ、調子が上がっている。前走からの上積みは、この馬が１番だ。あとは、マイネヴィータ、オメガグレイス、ヘルスウォール、ブライアンズイブがいい動きを見せ、調子が良さそうだ。ツルマルグラマーを含めてここに挙げた５頭は、調教でいい動きを見せるだけあって、現時点での仕上がりは他馬より高いことを付け加えておく。問題なのはキタサンヒボタン。今回ももっさりした動きで強調できるところはないが、終いバタバタだったファンタジーＳよりはいい感じがする。ファンタジーＳを勝っていることから調教駆けしないタイプと言ってしまえばそれまでだがどうなのだろう。今回は調教での加点減点はしないで、これまでの４走での走りから予想することとしたい。

　次に展開だが、前に行きそうなのは、シーバスビコー、アローキャリー、キタサンヒボタン、マイネヴィータあたり。キタサンヒボタンとマイネヴィータが逃げたくはないから、逃げるのは内枠のシーバスビコーとアローキャリーだろう。問題のペースだが、馬場がいいので前が止まらない、１８頭の多頭数で好位を進みたいというジョッキー心理で先行争いが激化しそうな予感がする。阪神１６００ｍ独特の乱ペースになりそうだ。

　こんな展開で前に行った馬は辛いが、そうかと行って後方一気で差せる馬も見当たらない。ハイペースで前に行って粘り込む力があるのは、これまでの実績を考慮して、キタサンヒボタン、マイネヴィータの２頭。あとは差し馬だが、候補としては、内からオースミコスモ、ヘルスウォール、ブライアンズイブ、タムロチェリー、オメガグレイス、ツルマルグラマーの６頭になる。各馬切れる脚を持っているので、いかに道中スムーズに進めて、直線でいい位置から差せるかが勝負の分かれ目だろう。

　さあ最終決断。本命は、ツルマルグラマー。１８番枠は気になるが、スタートがいいので中団につけられそうなこと、ごちゃつくより多少コースロスがあっても外目でスピードに乗った方がいいタイプと考えれば、１８番枠だけで評価を下げたくない。武豊騎手の秘策に期待するというより、この馬の能力を評価しての本命だ。前走からの上積みはメンバー中１番。今度は差し脚が違うはずだ。

　対抗は、マイネヴィータ。新馬でデイリー杯２歳Ｓを制したファストタテヤマを０．６秒離す勝利、２戦目の札幌２歳Ｓではヤマノブリザードの着差なしの２着から見えても能力は明らかだ。初戦と２戦目で２．３秒も詰めたことも評価できるところで、早いタイムの決着にも十分に対応できるとみている。キタサンヒボタンを早めに競り負かして先頭に立ち、しぶとく粘るだろう。

　準対抗は、オメガグレイス。赤松賞は久々と不良馬場が応えて６着に敗れたが、調教での動きが一変した。週初めは同厩舎のヘルスウォールが気になっていたが、馬っぷりの良さと調教での動きを見て、こんな馬がいたのかとビックリさせられた。いかにもマイルが向きそうなタイプで切れ味も相当ありそうだ。鞍上は追える蛯名騎手で条件も揃った感じ。父はサンデーサイレンス、一発あるとすればこの馬だろう。

　押えは、ヘルスウォール。前走からの上積みもあるし、今度は差し脚が生かせる展開なら上位に取り上げなくてはいけない存在だ。競馬がそれほどうまいタイプでないだけに１８頭の多頭数は気になるが、じっくり溜めれば直線では必ず伸びてくるはずだ。今回は追えるデムーロ騎手、この馬も条件が揃っている。

　あとは、調教でリズミカルで素早い動きを見せたブライアンズイヴ、マイル２勝の実績と初戦の差し脚を評価してオースミコスモを押えたい。実績断然もマイルの距離とスピード決着に不安が残るキタサンヒボタンは押さえの評価とした。ペリエ騎手の３週連続Ｇ１制覇がかかるタムロチェリーは無印にしたが、オッズ的には押えてもいいだろう。

　　　　　◎ツルマルグラマー
　　　　　○マイネヴィータ
　　　　　▲オメガグレイス
　　　　　△ヘルスウォール
　　　　　注ブライアンズイヴ
　　　　　注オースミコスモ
　　　　　注キタサンヒボタン

■ レース結果

 2001年5回阪神2日( 12月 2日) 11Ｒ  
 第53回 阪神ジュベナイルフィリーズ(ＧＩ) 
 サラ系２歳 1600ｍ 芝・右  
 (混)牝(指) オープン 定量 
 本賞金： 6000、 2400、 1500、 900、 600万円 発走 15:40 
 天候：晴　 芝：良　 
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 着 予 枠 馬    　　馬  名         性齢  重量     騎手   タイム   着差       馬体重   調教師  人気
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  1 　 4  8 (抽)タムロチェリー　　 牝 2 54.0kg  ペリエ　 1:35.1 　　　　　  442Kg  -6 西園正都  7
  2 　 1  2 (地)アローキャリー　　 牝 2 54.0kg  ファロン 1:35.2 １／２馬身  450Kg  -2 山内研二  9
  3 注 2  3 (父)オースミコスモ　　 牝 2 54.0kg  常石勝義 1:35.2 クビ　　　  426Kg   0 中尾正　  2
  4 注 6 11 (父)キタサンヒボタン　 牝 2 54.0kg  須貝尚介 1:35.3 クビ　　　  470Kg   0 須貝彦三  1
  5 ○ 7 14 (父)マイネヴィータ　　 牝 2 54.0kg  中舘英二 1:35.3 クビ　　　  478Kg  +2 田村康仁  4
  6 　 2  4  　 チャペルコンサート 牝 2 54.0kg  熊沢重文 1:35.4 クビ　　　  412Kg  -6 池江泰郎 12
  7 　 6 12 (父)カネトシディザイア 牝 2 54.0kg  池添謙一 1:35.4 アタマ　　  432Kg  +2 田中章博 10
  8 △ 4  7 (市)ヘルスウォール　　 牝 2 54.0kg  デムーロ 1:35.6 １ 1/2馬身  490Kg  +8 森秀行　  5
  9 注 5  9  　 ブライアンズイブ　 牝 2 54.0kg  幸英明　 1:35.7 ３／４馬身  424Kg  -4 大久保正  6
 10 　 5 10  　 シェーンクライト　 牝 2 54.0kg  福永祐一 1:35.8 クビ　　　  456Kg   0 角居勝彦 13
 11 ▲ 7 13  　 オメガグレイス　　 牝 2 54.0kg  蛯名正義 1:35.8 ハナ　　　  458Kg  -4 森秀行　  8
 12 　 8 16 (父)フォルクローレ　　 牝 2 54.0kg  四位洋文 1:35.9 クビ　　　  448Kg   0 佐々木晶 11
 13 ◎ 8 18 (父)ツルマルグラマー　 牝 2 54.0kg  武豊　　 1:35.9 アタマ　　  504Kg  -4 橋口弘次  3
 14 　 3  5  　 ミニーチャン　　　 牝 2 54.0kg  松永幹夫 1:36.1 １ 1/4馬身  456Kg  +2 五十嵐忠 16
 15 　 7 15  　 テイエムハーバー　 牝 2 54.0kg  宝来城多 1:36.2 １／２馬身  452Kg  -4 福島勝　 18
 16 　 8 17  　 マイネノエル　　　 牝 2 54.0kg  河内洋　 1:36.2 アタマ　　  420Kg  +4 柴崎勇　 15
 17 　 1  1 (市)シーバスビコー　　 牝 2 54.0kg  エスピノ 1:37.0 ５馬身　　  490Kg   0 藤原英昭 14
 18 　 3  6 (市)ワイドパッション　 牝 2 54.0kg  渡辺薫彦 1:37.6 ３ 1/2馬身  460Kg  -6 池添兼雄 17
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 ハロンタイム　 12.5 - 11.2 - 11.6 - 12.0 - 12.1 - 12.0 - 11.8 - 11.9  
 上り 　4F 47.8 - 3F 35.7 
 2コーナー　 (*2,15)3(1,7,11)(4,10,14)8(5,6,13,9)12(16,18)17  
 3コーナー　 2,15(1,3,11)(7,14)10(4,8)(13,9)(5,6,12)-(16,18)17  
 4コーナー　 (*2,15)11(1,3,14)(7,8)(4,10)(13,9,12)5,6(16,18,17)  

 ＜払戻金＞ 
 単勝 08 1,800円 7番人気  枠連　  1- 4  4,330円 18番人気
 複勝 08   520円 7番人気  馬連　 02-08 25,350円 60番人気
 　　 02   940円 9番人気  ワイド 02-08  5,120円 59番人気
 　　 03   220円 3番人気  　　　 03-08  1,680円 18番人気
 　　         　  　　　  　　　 02-03  2,730円 29番人気

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