NHKマイルC |
2000/05/06 東京競馬場 芝1600m |
■ レース展望 = ダービー出走なるか!? クロフネの走りに注目 = | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
今年からNHKマイルCの1,2着馬と青葉賞1着馬の3頭のうち賞金 が多い2頭にダービーの出走権が与えられます。昨年までは、外国産馬は NHKマイルCを目標にしてきましたが、今年はダービーの出走権をかけ て出走してくる馬もいます。 その1番手がクロフネです。今年初戦の毎日杯では後続を0.9秒突き 放し、1分58秒6の好タイムで楽勝しました。ラスト5Fを全て11秒 台で走ったこと、次週に行われた大阪杯のタイムが1分58秒4と0.2 秒の差しかなかったことから、かなりの能力が伺えます。マイル戦はデビ ュー戦で2着して以来になりますが、東京1600mは2000mの実績 馬の活躍が目立つコースなので、2000mが得意なこの馬には向きそう です。久々の1600mのレースで折り合えるかどうかがポイントになり ます。武豊騎手がヨーロッパ遠征から一時帰国して騎乗するそうです。 あとは、水沢から参戦する ネイティヴハートです。ニュージーランド Tで見せた末脚は間違いなく東京向きで、東京コースの実績もあるのも心 強いところです。クロフネを強引に負かしに行くレースをするとどうかと 思いますが、自分のレースに徹すれば、上位争いできそうです。 もう1頭気になるのは、ダンスインザダーク産駒のエアヴァルジャンで す。馬体の作り、顔つきからかなりの素質を感じさせる馬で、まだ若さが 残っていますが、一気に素質開花する可能性を秘めています。強めの調教 で一杯に仕上げてくるようなら狙いたいと思います。 その他では、スプリングS大敗も馬体が回復し潜在的なスピードは侮れ ないフジノテンビー、ニュージーランドTで末脚の切れが目立ち東京コー スの方が向くメジロキルデア、東京コースで逃げ不安も実績は一枚上のキ タサンチャンネルが気になります。皐月賞14着と大敗も叩き3戦目で馬 体良化し、今度は力を発揮できそうなシャワーパーティーにも注意したい ところです。昨年3連勝した実績を忘れるわけにはいきません。 ■■■ ミニデータ ■■■ ・NHKマイルCのポイント(長文です。。。 by グリンモリー) ・過去5年の連対馬10頭は全て外国産馬。5着入着馬25頭のうち内国産馬は4頭のみ。 過去の中心は外国産馬だが、不況の日本を象徴するように今年の外国産馬は不作。 クリスタルCでも内国産馬が連対し、外国産馬の連勝をストップさせている。 ・過去5年の連対馬10頭のうち9頭が東京コースで連対した実績あり。タフな東京コース だけにそこで好走した経験は重視したい。クロフネは経験ないが能力でカバーできるか。
■■■ ステップレース ■■■
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■ 調教診断 = 気迫溢れる動きでネイティヴハート絶好調! = |
■ ネイティヴハート 水沢ダートで一杯に追われ、併走馬を3馬身突き放し好調をアピール しました。追われての反応が抜群で重心の低いフットワークからも万全 の仕上がりとみます。陣営は馬体が細いと心配しているようですが、張 りのある馬体は非常に良く見え、気にするほど細い印象は受けませんで した。これだけビッシリ追えるのですから、心配する必要はないと思い ます。デキがいいので、クロフネを相手にどんな競馬を見せるか楽しみ になってきました。 ■ クロフネ 栗坂で強めに追って、豪快なフットワークで最後までしっかり伸びま した。中間の調教量が豊富なこともあり、最終調教は余裕残しでしたが 、いい感じに仕上がっています。これだけ調教しても動きに堅さがない のがこの馬の良さでしょう。仕上げに関してマイナスにする材料はあり ません。 ■ フジノテンビー 南Wで馬なりでしたが、自らハミを取ってスピード感のある動きを見 せました。ラストも12.3秒の切れ味を見せ、前走減っていた馬体も 回復しているので今回は中身が違いそうです。この馬が好調なことによ ってペースが上がるかもしれません。 ■ エアヴァルジャン 南Wで馬なりでしたが、素早い動きでラストもまずまずの伸びを見せ ました。もう少し強い調教でビッシリやって欲しかったという感じはあ りますが、動き自体は素早いので善しとしておきます。前走より若干で すが良化しています。 |
■ 相馬眼予想 |
東京コースは今週から一番広いA1コース。先週まではCコースで、 今回は仮柵が取り除かれ内側に13メートル広がります。内側の13メ ートルは2ヶ月間使用していないので芝は絶好の状態です。当然ここを 通った馬が有利になりますが、まだ踏み固められていないため、意外と 力のいる状態になっています。こんな馬場状態ですが、ひとつ注意した いのは、仮柵があったところ(芝の色が変わって見える)は踏み固めら れており、ここを通った馬が差してくることが良くあるということです 。少し古い話ですが、1989年の安田記念で岡部騎手が騎乗したバン ブーメモリーがここを通ってまっすぐ伸び差し切り勝ちしました。まっ すぐ伸びた芝の色の変わり目が馬をまっすぐ走らせるのに利用できるの かは定かではありませんが、ここを通った馬が伸びるのは間違いないよ うです。このことも少し頭に入れて予想したいと思います。 まず展開ですが、枠順から逃げるのはフジノテンビーになりそうです 。後藤騎手もスピードを生かしたレースをすると宣言しています。ここ 2戦逃げていいレースをしているキタサンチャネルの橋口調教師は、早 い馬がいるなら好位からのレースが理想と言っており、今回は2番手か らの競馬になりそうです。問題のクロフネ は、2000mと1600 mのレースではテンのスピードは違いますが、スピードがある馬なので 4,5番手の好位からの競馬になりそうです。ネイティブハートとエア ヴァルジャンは中団、メジロキルデア、シャワーパーティー、メイショ ウドウサンが後方を進む展開になると思います。各馬クロフネをマーク して進むので、ある程度早いペースで進みそうです。 ここでポイントになるのは、クロフネの武豊騎手がどう騎乗するかと いうことです。早めにスパートして逃げ先行馬を潰し厳しいレースにす れば差し馬が有利になるし、スパートを遅らせて前を可愛がるようなら 逃げ先行馬が有利になります。さて武豊騎手はどう騎乗するのでしょう 。このあとのダービーを意識して楽な勝ち方というのもありますが、そ れよりはまずこのレースに全力投球のはずで、楽な勝ち方はあまり意識 していないと思います。クロフネのいいところは、毎日杯で見せたよう に5F11秒台の脚を使えるところです。既に心拍数が古馬並みで、連 続していい脚を使えるのがこの馬の現時点での良さなので、そこを生か した競馬に徹するはずです。具体的に言うと早めにスパートして厳しい レースにすることで逃げ先行馬を潰し、後続にも脚を使わしてそのまま 粘り込むレースをすると思います。クロフネに早めに来られ交わされて は、逃げ先行馬が粘り込むのも難しいので、今回は差し馬を狙いたいと 思います。直線でクロフネが粘り込むか、それとも差し馬がクロフネを 差すかですが、現時点での完成度を重視して、今回はクロフネが勝つと 思います。調教で余力十分の中にも豪快な動きを見せ、万全仕上がりと いうのもその理由です。 さて2着争いですが、上がり3F34秒台の脚を使えるニュージーランドTの2〜4着馬3頭に魅力を感じています。左回りの方がスムーズで、前走でどれくらいの差し脚が使えるか騎手が把握できているネイティヴハート、前走は権利取りのため先行しましたが本来は末脚を生かす競馬が合うエアヴァルジャン、徐々に良化し前走で34秒台の末脚を使いメンバー唯一の東京マイル勝ちが光るメジロキルデアを狙います。あとは、今回後方からの競馬をするシャワーパーティーを抑えたいと思います。早いタイムの決着に不安はないし、馬体も2歳時のいい頃に近づいています。 ◎クロフネ ○ネイティヴハート ▲エアヴァルジャン △メジロキルデア 注シャワーパーティー |