天皇賞(春)
2001/4/29 京都競馬場 G1 芝3200m

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レース展望
テイエムオペラオー ナリタトップロード アドマイヤボス
メイショウドトウ エアシャカール マックロウ
セイウンスカイ サンエムエックス エリモブライアン

テイエムオペラオー天皇賞3連覇、G1−6連勝なるか!?

 さあ、天皇賞(春)がやってきました。今年は少頭数になりそうですが、 レベルの高いメンバーが揃った印象で、熱い戦いが繰り広げられそうです。 セイウンスカイ、ナリタトップロード、エアシャカールと3世代の菊花賞馬 が出走してきたのも、見どころのひとつでしょう。

 まずは、産経大阪杯で連勝がストップしたテイエムオペラオーですが、調 子の方はどうなのでしょうか。1週前の調教では、あまり変わったところが なく、大幅に良化とはいっていないようです。それでも、どこが悪いといっ たところはないので、大阪杯の調教診断でも書きましたが、普通のデキとい ったところでしょう。最終調教で一気にいい動きを見せるのが、この馬の好 調時のパターンなので、最終調教は注意深く見たいと思います。大阪杯を負 けたことで、今回は1番人気になるのか、単勝オッズはどれくらいになるの か、そのあたりにも興味があります。

 打倒テイエムオペラオーの1番手として、阪神大賞典で1年半ぶりの勝利 を挙げたナリタトップロードに魅力を感じています。昨年はテイエムオペラ オーに全敗でしたが、阪神大賞典で楽に後続を突き放して勝った勢いは、テ イエムオペラオーが大阪杯で敗退しただけに、無視できないものがあります 。また、走り方がやっと好調時のものになってきたのもプッシュ材料で、良 馬場でスピード勝負の競馬ができれば逆転もそんなに難しいことではないで しょう。馬場と展開次第で本命まで考えています。

 あとは、大阪杯でテイエムオペラオーを積極的に負かしに行って、実際に 負かしたアドマイヤボスが気になります。3,4コーナーでの行きっぷりは 素晴らしく、ズブさを見せていた昨年より、かなり馬が変わってきています 。馬体を見ても、背が伸び、トモの張りも増してきているので、成長を感じ ずにはいられません。有馬記念でも期待しましたが、今回も大きい期待を掛 けたくなります。

 その他では、日経賞を勝ち、今年も打倒テイエムオペラオーを目指すメイ ショウドトウ、大阪杯でプラス26キロと馬体を戻し、本来の走りを見せた エアシャカールが気になるところです。あとは、ハイペースの時計勝負に滅 法強いサンエムエックスに一発の魅力を感じます。


■■■ ミニデータ ■■■

  ・天皇賞のポイント(長文です。。。 by グリンモリー)
  ・過去10年の連対馬20頭の全てが2500mで1勝以上、うち17頭が3000m以上で
   連対実績あり。また連対馬14頭が菊花賞馬3着以内の実績を持っていた。長距離適性を重視。
  ・阪神大賞典優勝馬が4連勝中。今年の勝ち馬ナリタトップロードには心強いデータ。

日付レース1着馬2着馬
2000/04/16天皇賞(春)テイエムオペラオーラスカルスズカ

■■■ ステップレース ■■■

日付レース1着馬2着馬
2001/01/14日経新春杯ステイゴールドサンエムエックス
2001/01/21AJCCアメリカンボスロードプラチナム
2001/02/11ダイヤモンドSイブキヤマノオーメジロランバート
2001/02/17京都記念マックロウアグネスフライト
2001/03/18阪神大賞典ナリタトップロードエリモブライアン
2001/03/24日経賞メイショウドトウマチカネキンノホシ
2001/04/01大阪杯トーホウドリームエアシャカール

調教診断

好調時の動き取り戻したナリタトップロード絶好調!

ナリタトップロード
 栗DWで一杯に追われ、ラスト11.5秒と鋭い伸びを見せました。 追われてからの反応も抜群で、阪神大賞典よりもかなり良化しています 。よほど体調がいいのか、胸前の筋肉の張りが抜群で、完全にいい頃の デキを取り戻しています。走り方も前脚を掻き込み過ぎずにいい感じで す。このデキなら、菊花賞以来のG1制覇を期待してみたくなります。
テイエムオペラオー
 栗CWで一杯に追われ、ラスト切れ味を見せて併走馬を4馬身突き放 しました。先週より動きに素軽さが出てきており、馬自身もやる気にな っているように見えました。馬体の張りも増してきているので、状態は 間違いなく前走以上でしょう。良馬場での時計勝負になったときに、ど れくらいの切れ味を発揮できるかがポイントになりそうです。
アドマイヤボス
 栗坂で馬なりでしたが、併走馬を2馬身突き放し、好調をアピールし ました。坂を登ってくるときの迫力は相変わらずで、今回も抜群の手応 えで脚取りも最後までしっかりしていました。状態面は万全なので、あ とは初の長距離戦をどうこなすかだけでしょう。後藤騎手の作戦を読み 切りたいと思います。
メイショウドトウ
 栗坂で強めに追われ、気迫溢れる動きを見せました。追われると重心 が低くなり、首を使って登坂する姿に迫力が感じられました。動きに堅 さがないので、好調なのは間違いありません。あとは、血統的に距離が どうかと、3,4コーナーでのズブさを安田康騎手がどう捌くかに掛か っています。
エアシャカール
 栗坂で一杯に追われ、好タイムを出しましたが、併走馬に1馬身遅れ ました。遅れはしましたが、動きが重いわけではないので、好調キープ と言っていいでしょう。馬体の張り、毛づやは素晴らしいので、このひ と追いで更に良化しそうな気配があります。

相馬眼予想

 まず気になるのは、日曜日の天気。天気予報を見ると、レースまで雨 は降り出しそうにないので、良馬場で行われそうです。昨年は天気予報 に相当やられましたが、良馬場と信じて予想することにします。念のた め、付け加えておきますが、雨が降って時計がかかるようだとテイエム オペラオー、メイショウドトウ、アドマイヤボスが有利になります。特 にテイエムオペラオーは、外せない存在になります。逆にナリタトップ ロードは、良馬場で切れを生かすタイプなので、やや重より悪化した場 合は、割り引いた方がいいでしょう。

 京都の馬場状態は絶好で、3歳500万下で1分46秒5が出ている ように高速馬場になっています。今年のポイントは、この高速馬場です 。週中から、タガジョーノーブルの福永騎手が早いペースで逃げると話 しており、早いタイムの決着になりそうです。

 まず展開を整理すると、タガジョーノーブルが逃げて、サンエムエッ クスとセイウンスカイが2,3番手で、今回はテイエムオペラオーより 前で積極的な競馬をすると宣言しているメイショウドトウがこれに続き ます。中団にはテイエムオペラオー、それをマークするようにナリタト ップロードとアドマイヤボスが続き、更に後ろにエアシャカールが続き ます。ナリタトップロードは、もう少し前で進めたいところですが、京 都3200mはスタートしてすぐ3コーナーになるので、大外枠は距離 ロスが大きく、また、ここで気合を入れると引っかかる可能性があるの で、今回は中団より後ろから行くことになると思います。各馬こんな位 置取りで、タガジョーノーブルが離して逃げるので、仕掛けどころが難 しいレースになりそうです。本来なら1番人気のテイエムオペラオーを 各馬がマークして、それに合わせた競馬になりますが、今回は自分の競 馬に徹する馬が多いので、そうはなりそうにありません。具体的に言う と、メイショウドトウは積極的に前に行き、ゴールまで鋭い脚が使える 位置からスパートして後続を完封する競馬、ナリタトップロードは、阪 神大賞典と同じように早めにスパートして、ラスト5Fを早いタイムで 上がる競馬です。この2頭は、向こう正面ではテイエムオペラオーより も前に行っているので、テイエムオペラオーをマークしてどうこうとい うのは、ほとんどなさそうです。テイエムオペラオーの和田騎手は、早 仕掛けして後続に差された大阪杯が頭にあるでしょうから、3コーナー 手前から一気に上がっていくような競馬はしないはずです。4コーナー で射程圏に入れて直線で差す競馬をイメージしていると思います。

 もう一度整理すると、タガジョーノーブルが離して逃げて、メイショ ウドトウとナリタップロードは早めにスパートし、テイエムオペラオー は中団からゆっくり仕掛けて直線勝負の競馬です。まず注意したいのは 、3200mのレースで淀みのないペースで行って早めに仕掛けては末 が鈍るのは当然ということです。1997年の天皇賞では、淀みのない 早いペースで進み、サクラローレルとマーベラスサンデーが早めにスパ ートしましたが、結局、ゴール前でスピードが落ちたところをマヤノト ップガンに差されました。サクラローレルは前年の覇者で、抜群の長距 離適性を持った馬ですが、その馬でも淀みのないペースで早仕掛けして は勝てなかったのです。今回、メイショウドトウとナリタトップロード は、最後までいい脚を持続できるのでしょうか。ナリタトップロードは 、3000mの菊花賞と阪神大賞典を早仕掛けの競馬で勝っているので 、好走できる確率は高いですが、3000m以上のレース経験がないメ イショウドトウはどうでしょう。この2頭なら迷わずナリタトップロー ドの方を上位にとりたいと思います。話を戻すと、淀みのない流れで2 頭が早仕掛けになれば、有利なのは差し馬です。ただし、淀みのない流 れで後続も脚をそれなりに使うわけですから、スローペースの差し馬で は出番がないでしょう。狙いたいのは、早いペースで行っても差し脚を 繰り出せる馬です。淀みのないペースで、結局は力勝負になるとみてい ます。差し馬の候補としては、テイエムオペラオーとアドマイヤボスで す。エアシャカールは現時点で、淀みのない長距離で最後に切れる脚を 使えそうにないので評価を下げます。まとめると先に行ったナリタトッ プロードをテイエムオペラオーとアドマイヤボスが差し切れるかという レースになると思います。

 大阪杯で強引にテイエムオペラオーに併せて行ったアドマイヤボスの 後藤騎手は、今回どんな競馬を考えているのでしょうか。大阪杯と同じ 競馬をしても、テイエムオペラオーは仕掛けてこないでしょうから、強 引に自分から動いても差されるのが目に見えています。有馬記念で同じ 上がりタイムを出していることと、有馬記念以降の成長と今の調子を考 慮すれば、今回は差し切れると考えるのではないでしょうか。テイエム オペラオーをマークして直後を進み、ゴール前で少しだけ差す競馬をイ メージしていると思います。この競馬でどこまで食らいつけるのか、ア ドマイヤボスの真価が問われる一戦になりそうです。

 最初に述べたように今年のポイントは早いタイムの決着です。レコー ドタイムが出るかもしれません。阪神大賞典でレコードタイムを出した ナリタトップロードは、パンパンの良馬場でスピードを生かすタイプな ので、早いタイムの決着に不安はありません。逆にテイエムオペラオー は、良馬場でも走れますが、荒れ馬場や重馬場で無類の強さを発揮する タイプです。今までにレコードタイムを出したことがないことからも、 早いタイムの決着は少し不安があります。それでも、長距離戦の早いタ イムというのは、2000mのそれとは明らかに違うので、それほど大 きいマイナス材料にならないと思います。アドマイヤボスも早いタイム の決着は大阪杯だけなので、長距離戦でどうかも含めて不安が残ります が、まだ6戦しか走っていないので、はっきりとどうかは言えないとこ ろがあります。5戦のキャリアで望んだ大阪杯で、強引な競馬をしてテ イエムオペラオーを負かした馬ですから、不安より期待してみたくなり ます。

 最後にまとめですが、本命はアドマイヤボスです。テイエムオペラオ ーを徹底的にマークしてゴール前で交わす競馬が、この馬にはできると 思います。大阪杯で見せた3,4コーナーでの行きっぷりが、どうして も忘れられません。昨年は行きたくてもズブさを出して行けなかった馬 が、あの勢いで行けるようになったことからも、かなりの成長を感じる し、ここにきての馬体の成長が著しいので、この馬を狙いたいと思いま す。昨年の天皇賞でラスカルスズカが、テイエムオペラオーに0.1秒 まで迫ったことから比較しても、アドマイヤボスならテイエムオペラオ ーに勝てるのではないでしょうか。対抗は、ナリタトップロードです。 早いタイムの決着に不安がないことと、今の調子の良さを買いたいと思 います。テイエムオペラオーは、間違いなく前走より状態は良くなって いますが、まだ絶好調時と比較すると少し落ちる気がします。具体的に 言うと、調教で流れるようなフォームで走りますが、今回は少し乱れて いたことと、腹回りの筋肉が昨年よりは少し落ちています。早いタイム の決着も考慮して、今回は3番手評価にします。

     ◎アドマイヤボス
     ○ナリタトップロード
     ▲テイエムオペラオー
     △メイショウドトウ
     注エアシャカール


レース結果
  2001年3回京都4日( 4月 29日) 11R  
  第123回 天皇賞(春)(GI) 
  サラ系4歳以上 3200m 芝・右 外  
  牡・牝(指) オープン 定量 
  本賞金: 13200、 5300、 3300、 2000、 1320万円 発走 15:40 
  天候:雨  芝:良  
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 着 予 枠 馬         馬名        性齢 重量      騎手   タイム   馬体重  人気
 ------------------------------------------------------------------------------
   1 ▲ 1  1 (市)テイエムオペラオー 牡 5 58.0kg  和田竜二 3:16.2  478Kg  +2  1
   2 △ 5  5 (外)メイショウドトウ  牡 5 58.0kg  安田康彦 3:16.3  514Kg  +2  3
   3 ○ 8 12 (父)ナリタトップロード 牡 5 58.0kg  渡辺薫彦 3:16.4  488Kg  +2  2
   4   3  3    マックロウ     牡 4 58.0kg  安藤勝己 3:16.6  468Kg   0  8
   5 ◎ 8 11    アドマイヤボス   牡 4 58.0kg  後藤浩輝 3:16.7  484Kg  -4  5
   6   6  7 (父)メジロランバート  牡 6 58.0kg  柴田善臣 3:16.8  454Kg -12 11
   7   6  8    イブキガバメント  牡 5 58.0kg  小牧太  3:17.4  484Kg  -2 12
   8 注 7 10    エアシャカール   牡 4 58.0kg  蛯名正義 3:17.9  508Kg  +2  4
   9   4  4    エリモブライアン  牡 4 58.0kg  藤田伸二 3:18.3  484Kg  -6 10
  10   2  2 (父)サンエムエックス  牡 5 58.0kg  松永幹夫 3:19.1  498Kg  -2  9
  11   7  9 (市)タガジョーノーブル 牡 7 58.0kg  福永祐一 3:19.1  482Kg  -8  7
  12   5  6    セイウンスカイ   牡 6 58.0kg  横山典弘 3:32.0  494Kg +14  6
 ------------------------------------------------------------------------------
  ハロンタイム  12.5 - 11.8 - 10.9 - 11.1 - 12.0
         - 12.1 - 12.0 - 13.8 - 12.7 - 13.6
         - 12.9 - 12.5 - 12.4 - 11.7 - 11.9 - 12.3  
  上り  4F 48.3 - 3F 35.9 
  1コーナー  9,6-2=7(12,8)1(5,10)11,3,4  
  2コーナー  (6,*9)-2=7,12,8,1(5,10)(3,11)4  
  3コーナー(2周目)  9,2-7,12,8,1,10,5(6,11)3,4  
  4コーナー(2周目)  7,12,2(1,8)(9,5,10)11,3,4=6  

 <払戻金> 
  単勝 01 200円 1番人気  枠連   1- 5 460円 2番人気
  複勝 01 110円 1番人気  馬連  01-05 500円 2番人気
     05 140円 3番人気  ワイド 01-05 230円 2番人気
     12 120円 2番人気      01-12 190円 1番人気
                       05-12 310円 4番人気

レース回顧

 大阪杯で4着と破れ連勝がストップしたテイエムオペラオーでしたが、 直線で王者の貫禄を見せ、天皇賞3連覇を成し遂げました。これでG1− 6連勝の計7勝とし、ついにシンボリルドルフの記録に並びました。次々 と今までの記録を打ち破っていくこの強さは、いったい何なのでしょうか 。まだここでは結論を出さないで、この馬が引退するときにでも考えてみ たいと思います。

 メイショウドトウは、G1でテイエムオペラオーの2着はこれで5回目 。今回は出遅れて後方からの競馬となり何とか2着でしたが、陣営もさぞ かし悔しいことでしょう。この2頭の戦いは、春のグランプリ宝塚記念に 続きます。思い起こせば、昨年の宝塚記念でワンツー決着が始まりました 。今年の宝塚記念は、果たしてどんな戦いが見られるのでしょうか。テイ エムオペラオーがG1−8勝目を挙げ、シンボリルドルフを抜いて歴代ト ップになるのか、それともメイショウドトウが悲願のG1制覇を成し遂げ るのか、興味は尽きません。今年も古馬の中長距離路線は、この2頭を中 心に進みそうです。では、回顧です。

 ▲テイエムオペラオー は、中団を進み、4コーナーで先団に取りつくと、先に抜け出したナリタ トップロードをきっちり差し切って1着でゴール。直線に向いて自ら前を 捕えに行く姿は迫力十分で、これぞ王者の貫禄といったところでしょう。 馬体が引き締まって、大阪杯のときより良化していましたが、昨年の天皇 賞(秋)のときと比べるとまだ少し落ちる感じがしました。具体的に言う と、腹回りとトモの張りがいい頃と比べると少し落ちているところと、前 脚の捌きがスムーズさを欠いているところです。それでもこの強い勝ち方 ですから、長距離戦では能力が一枚上ということになります。それにして も、この馬が走るときは、よく雨が降ります。前日の天気予報では、雨は 降りそうにありませんでしたが、結局は朝から雨が降り、良馬場発表でし たが馬場はかなり悪く見えました。少し渋った馬場は得意中の得意にして いるので、天に助けられた感じもありますが、天を見方につけるこの馬の ツキも見逃せないものがあります。大阪杯で4着に敗れた後の一戦で、陣 営も必死の思いで仕上げてきただけに、うれしい勝利でしょう。今後は宝 塚記念で、G1−8勝目を目指すことになりますが、更に調子を上げて出 走してもらいたいものです。パンパンの良馬場で時計勝負になった場合が 課題ですが、これまでの実績からそれほど気にする必要はないとみていま す。宝塚記念を制してG1−8勝となれば、シンボリルドルフの7勝を抜 いて歴代単独トップに立ちます。21世紀の名馬の走りに今年も注目です。

 △メイショウドトウ は、出遅れ気味のスタートで後方を進み、4コーナーでも上がって行けず 直線勝負になりましたが、追い出してエンジンが掛かると鋭い差し脚を見 せ、ゴール寸前でナリタトップロードを交わして2着を確保。もっと前に 行く積極的な競馬を想定していましたが、スタートで後手を踏んだので無 理はしなかったようです。4コーナーで手応えが悪く2着はないかと思い ましたが、直線で良く伸びています。やはり底力は確かなものがあるので しょう。渋った馬場は得意なので、他が気にする分有利に働いた感じがあ ります。パドックでは、終始落ち着いて周回し、馬体の張り、力強い踏み 込みから、かなりの迫力を感じました。馬体の迫力では、既にテイエムオ ペラオーを追い越している感じさえあります。今回の2着で、テイエムオ ペラオーに5連敗。昨年から9戦連続連対で、テイエムオペラオー以外の 馬には負けていません。宝塚記念では距離的に考えても逆転のチャンスな ので、陣営は勝負を掛けてくるはずです。究極な仕上げと積極的なレース ができるようなら、負かすチャンスがきっとあるはずです。

 ○ナリタトップロード は、4,5番手を進み、4コーナー2番手と積極的な競馬で勝ちパターン に持ち込みましたが、最後は力尽き2頭に交わされて3着敗退。絶好の手 応えで直線に向きましたが、最後止まってしまったのは、やはり馬場のせ いでしょう。それにしてもテイエムオペラオーに比べるとツキがなく、G 1ではこのところずっと馬場に悩まされています。パドックでは、馬体の 張りが目立ち、歩様もスムーズで、デキの良さが目立っていました。今後 は宝塚記念に出走せずに休養し、秋に備えるそうです。昨年と同じローテ ンションで、京都大賞典から天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念を 目指すことになりますが、打倒テイエムオペラオーに向け、どんなレース を見せるか今年も楽しみです。ジャパンカップと有馬記念は、最終日で馬 場が荒れているので、天皇賞(秋)が最大のチャンスでしょう。ダービー でテイエムオペラオーを差して2着した舞台で、思い切った競馬ができれ ば、もっと際どいレースができるはずです。使い込むと良くないタイプな ので、フレッシュな状態という意味でも、天皇賞(秋)が最大のチャンス とみています。

 マックロウ は、後方2番手を進み、直線ラスト1Fから猛然と追い込んで、4着まで 追い上げました。直線での伸び脚は目立っていましたが、時既に遅しとい った感じでしょうか。それでも、安藤勝騎手が、悪い馬場の中、この馬の 鋭い末脚をうまく生かしています。馬体の作りは中距離向きなので、距離 はもっと短い方が良さそうです。今後は宝塚記念を目指しますが、前述し た通り、距離が短くなるのはいいでしょう。阪神2200mは、前に行っ た馬が止まらないので、一瞬の切れ味をどこで生かすか、そのあたりが課 題だと思います。

 ◎アドマイヤボス は、後方3番手を進み、直線で差し脚を伸ばしましたが、前を捕えるまで はいかずに5着敗退。4コーナーからいい手応えで直線に向きましたが、 首を横に曲げてスピードが落ち、伸び切れませんでした。テイエムオペラ オーを徹底マークすると思っていましたが、道中思ったより行きっぷりが 悪く、後方からの競馬になってしまいました。大阪杯のように自分から動 いても競馬ができるので、もっと負かしに行く競馬をしてもらいたかった 感じは否めません。パドックでは、腹回りはボテッとしていますが、全体 的に迫力のある馬体は相変わらずで、デキ自体は良かったと思います。今 後は宝塚記念でG1制覇を狙いますが、大阪杯のときの行きっぷりが見ら れるようなら、上位争いはできるでしょう。テイエムオペラオー陣営にと っても、この馬の早仕掛けによる瞬発力勝負が、最も嫌なはずです。

 エアシャカール は、後方を進み、3,4コーナーで仕掛けられましたが、反応が悪くいつ もの捲くりが見られずに8着敗退。パドックを見る限り、大阪杯と変わら ないデキに見えましたが、全くいいところがありませんでした。渋った馬 場で脚を取られて走る気をなくしたようです。昨年の2冠馬ですが、時折 大敗するので、徐々に信頼性が乏しくなってきています。宝塚記念で、こ の意識を覆すような快走を見せてもらいたいものです。


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