宝塚記念
2001/06/24 阪神競馬場 芝2200m

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レース展望

出走有力馬

テイエムオペラオー メイショウドトウ ステイゴールド
アドマイヤボス エアシャカール ミッキーダンス
トーホウドリーム マックロウ ダイワテキサス

G1−8勝でルドルフを超えるか!? 21世紀の名馬テイエムオペラオーに注目

 さあ、春のグランプリレース宝塚記念。頭数は少ないですが、なかなか の好メンバーが揃った印象で熱い戦いが見られそうです。過去に宝塚記念 を連覇した馬はおらず、昨年の覇者テイエムオペラオーが勝てば初めての ことになるそうです。昨年、数々のジンクスを全て破ってきたテイエムオ ペラオーだけに、今更そんなジンクスを気にする必要もないでしょう。昨 年の天皇賞(春)以来、G1は負け知らずの6連勝。3歳時の皐月賞優勝 を合わせるとG1はこれまでに7勝で、今回勝てばシンボリルドルフを抜 き単独で歴代1位になります。そういう面からもテイエムオペラオーがど んな走りを見せるか注目したいと思います。

 テイエムオペラ−は、天皇賞(春)優勝後も順調に調教を消化し、2週 前、そして1週前調教で抜群の動きを見せました。昨年の宝塚記念では調 子がイマイチでしたが、今年は非常にいい状態で出走できそうです。距離 2200mで高速決着に不安がないとはいえませんが、少なくとも大阪杯 よりも調子がいいわけですから、あれほど簡単に差されることはまずない でしょう。2000m戦で5戦4勝、そのうち2勝は皐月賞と天皇賞(秋) なのですから、実績から言っても距離を心配する必要はないと思います。 宝塚記念は、強い馬が先行して底力勝負に持ち込めば好勝負できるレース なので、底力があるテイエムオペラオーには有利なレースだと思います。 ひと雨降って馬場が渋るようなら、今までの実績から更に有利になります 。最終調教でいい動きを見せるようなら、まず負けることはないとみてい ます。

 悲運の名馬なのか、それともこれから快進撃をするための序曲なのか、 G1を5戦連続してテイエムオペラオーの2着しているメイショウドトウ の走りに注目が集まります。昨年から9戦連続して連対を続けており、テ イエムオペラオー以外の馬には先着を許していません。それだけに陣営も どうにかして負かしたいと思っていることでしょう。良馬場の高速決着で 逆転の目があると思っている人が多いようですが、私は全く逆の考えです 。テイエムオペラオーが悪い馬場に助けられたと言われていますが、実は メイショウドトウも少なからず恩恵を受けていると思うのです。勝ったG 2でも、金鯱賞はやや重(タイムは早い)、オールカマーは重馬場、日経 賞は中山の荒れ馬場と、結局みな悪い馬場での勝利でした。良馬場で高速 決着よりは、力のいる馬場で持ち味を生かすタイプだと思います。大雨で 馬場が不良まで悪化するようなら、逆転の目があると思います。中間の調 教も順調で、調子はまずまずのようです。ベストの距離でテイエムオペラ オーにどんな戦いを挑むか、安田康騎手の騎乗にも注目したいと思います。

 日経新春杯を優勝後ドバイに遠征し、ドバイシーマクラシック(G2) を見事に勝ったステイゴールドは、7歳になっても衰えは見られません。 それどころか、気性が前向きになり、ようやくここにきて完成した印象が あります。勝てなかった馬が1回勝てば連勝すると言い続けてきましたが 、まさかドバイでそれもファンタスティックライトを差し切って勝ってし まうとは思いませんでした。終始馬込みで揉まれる展開でしたが、直線で 外に出すとしぶとく伸びて優勝した姿は貫禄さえ感じられました。宝塚記 念は今年で4回目の出走で、過去2,3,4着と着順が下がっていますが 、今年は何かやってくれるような予感を感じている人も多いのではないで しょうか。ドバイでかなり馬体重が減っていたようなので、どれくらい戻 っているかが、まずはポイントになりそうです。サイレンススズカの2着 したときのように、ハイペースの高速決着で底力勝負になれば好走できそ うです。できれば、良馬場で走らせたい馬です。

 天皇賞は5着に敗れましたが、この距離なら巻き返せそうなアドマイヤ ボスも気になります。まだ7戦しかしておらず、一戦一戦力をつけてきた 印象で、馬体もだいぶ成長してきました。大阪杯で早めに仕掛けて、テイ エムオペラオーとの叩き合いを制しただけに、この距離なら一発あっても 不思議でありません。テイエム陣営もこの馬が早めに仕掛けてくるのが、 最も嫌なはずです。瞬発力勝負ならテイエムオペラオーに引けを取らない ので、それを生かす競馬ができれば、負かすチャンスはあるでしょう。デ ザーモ騎手が騎乗するのも魅力です。

 天皇賞は馬場に脚を取られ大敗しましたが、エアシャカールも気になる 存在です。良馬場で末脚勝負なら巻き返す力は十分あると思います。菊花 賞を制した後、ジャパンカップで大敗して、弱い世代のレッテルを貼られ ていますが、決して現4歳馬のレベルは低くないと思います。ジャパンカ ップは、夏の海外遠征の疲れが出て大幅な馬体減となり、本調子でなかっ たので、結果にこだわる必要はありません。直線でよれたり、パドックで 飛び跳ねたりとうるさい馬ですが、雨が降ると落ち着くタイプなので、雨 の多いこの時期は落ち着いているかもしれません。ただし、良馬場で持ち 味を生かすタイプなので、レース当日は晴れて欲しいところです。今年も G1レースで中心にいていい馬です。

 あとは、大阪杯でテイエムオペラオーの連勝止めたトーホウドリームと 、金鯱賞で豪快に差し切り勝ちし復活したミッキーダンスも気になります 。トーホウドリームは、今回も安藤勝騎手で何とも不気味な感じがするし 、各馬早仕掛けで最後の坂で止まるようなことになれば、大阪杯の再現も 夢ではないでしょう。ミッキーダンスは、この時期に調子を上げるタイプ なので注意が必要です。


必勝データ (過去10年のデータを元に分析)

  強い1番人気
6勝2着3回で連対率9割と信頼度高い。それでも6番人気以下 の馬が5頭連対しており、人気馬と穴馬の組み合わせで中穴 狙いが妙味。
  重賞実績
G1馬8頭、G2勝ち馬5頭、G3勝ち馬4頭で17頭が重賞勝ち馬。 残る3頭もG2以上の重賞で連対しており、重賞実績は必須。
  先行馬有利
連対馬の脚質は逃げ2先行12差し5追込1で圧倒的に先行馬 有利。能力高い馬が先行して地力勝負に持ち込みケースが目立つ。 ペースが早くなれば差し馬でも届くことを考慮したい。

過去のレース結果 

日付1着馬2着馬馬連配当
1996年 マヤノトップガン サンデーブランチ 890円
1997年 マーベラスサンデー バブルガムフェロー 440円
1998年 サイレンススズカ ステイゴールド 4,590円
1999年 グラスワンダー スペシャルウィーク 200円
2000年 テイエムオペラオー メイショウドトウ 1,190円

ステップレース 

日付レース1着馬2着馬
2001/01/14日経新春杯ステイゴールドサンエムエックス
2001/01/21AJCCアメリカンボスロードプラチナム
2001/02/11ダイヤモンドSイブキヤマノオーメジロランバート
2001/02/17京都記念マックロウアグネスフライト
2001/03/18阪神大賞典ナリタトップロードエリモブライアン
2001/03/24日経賞メイショウドトウマチカネキンノホシ
2001/04/01大阪杯トーホウドリームエアシャカール
2001/04/29天皇賞(春)テイエムオペラオーメイショウドトウ
2001/05/13新潟大賞典サイレントハンターオースミブライト
2001/05/19目黒記念ホットシークレットマックロウ
2001/05/26金鯱賞ミッキーダンスダイワテキサス

調教診断

テイエムオペラオー A↑
 栗CWで直線一杯に追われると重心を沈めて鋭く伸び、併走馬を5馬身 ちぎりました。重馬場で6F80秒7は早いタイムで、この日の1番時計 でした。タイムより注目したいのは、追われてからの反応と馬体の張りで 、間違いなく絶好調だと思います。昨年の宝塚記念は少し調子が下降気味 でしたが、今年は上昇カーブを描いています。万全の仕上がりで出走でき そうです。
エアシャカール A↑
 栗坂で一杯に追われ、ラスト12秒6の切れ味を見せ、好調をアピール しました。本来の切れ味がやっと戻ってきた印象で、最後までもたれずに 伸びたところを評価したいと思います。馬体も一段と迫力が増し、古馬の 風格が出てきました。トモの張りも素晴らしく、今回は天皇賞みたいなこ とはないでしょう。良馬場なら巻き返せると思います。
メイショウドトウ A→
 栗坂で一杯に追って、力強い脚捌きで最後までしっかりと伸びました。 首を使って登坂する姿はいつも通りで、好調をキープしています。時期的 なものもありますが、だいぶ馬体がスッキリとしているように見えます。 陣営が打倒テイエムオペラオーに向け、勝負を賭けてきているのかもしれ ません。出遅れと3,4コーナーでのズブさを出さなければ、好勝負でき るでしょう。
ダイワテキサス B↑
 南Wで一杯に追われ、抜群の反応を見せ、併走馬を5馬身突き放しまし た。道中の手応えも十分で、馬が走る気になっています。前走はマイナス 24キロと大幅な馬体減でしたが、今回それほど戻しているようには見え ません。それでも動きは目立つもので、少し評価が難しいところです。有 馬記念で直線早め先頭の競馬で3着した実績があるので、2200mに短 縮される今回は注意が必要です。
アドマイヤボス B→
 栗坂で一杯に追われ、早いタイムを出しましたが、ラスト13秒8と掛 かり、併走馬にクビ差遅れました。重馬場のためか少しフワフワとした走 りで、今回は力強さがあまり感じられませんでした。調子落ちまでいきま せんが、前走からの上積みはそれほど見込めそうにありません。叩き3戦 目で絶好調を期待していたので、少し不満が残る動きです。
ステイゴールド B→
 栗芝で馬なりでしたが、ラスト軽く仕掛けられると素早く反応して、ラ スト11秒台で駆け抜けました。軽めの調教でしたが、動きはまずまずで ドバイの疲れはかなり取れているようです。ただし、本来はもっと強めに 追い切るのがこの馬のパターンなので、少し気になります。馬体はまだ少 し細く映るので、そのあたりを考慮して軽めの調教なのかもしれません。

相馬眼予想

 さあ、宝塚記念の最終決断。まず気になるのは阪神の馬場状態。土曜日 は雨が降っていましたが、結局芝は良馬場で行われました。土曜日の阪神 11R米子S(芝1600m オープン)の勝ちタイムが1分34秒8。 先週、良馬場で行われた900万条件の三宮特別が1分33秒8。900 万条件の方が1秒早く、上がり3Fでも0秒1上回っています。雨の影響 で少し時計が掛かっており、先週までの高速馬場と明らかに違っています 。ただし、馬場はそれほど荒れているわけではありません。天気予報によ ると日曜日は、一日曇りで気温はかなり高くなるそうです。気温が高くな るので、馬場はかなり回復すると思います。先週までの高速馬場まではい かなくても、かなりいい馬場状態で行われることになりそうです。

 今年の出走メンバーは12頭。毎年多くのG1馬が参戦しますが、今年 のG1馬は、テイエムオペラオー(7勝)、エアシャカール(2勝)の2 頭のみです。メンバーを見渡すとG1馬がもっといるように思えますが、 実際2頭しかいません。また、G1で2着しているのは、メイショウドト ウ(5回)、ステイゴールド(4回)の2頭です。格からするとこの4頭 が有力ですが、急激に力をつけてきたアドマイヤボス、マックロウ、トー ホウドリームの3頭も、調子と展開次第で食い込む力があるので侮れない 存在です。

 次に展開ですが、逃げると思われているホットシークレットは、今回は 本当に逃げるのでしょうか。目黒記念で差す競馬をして新境地を開いた馬 が、また元の競馬をするのでしょうか。目黒記念の上がり3Fは35秒7 で、マックロウの36秒1を凌ぐものです。最近ズブくなって前に行けな くなっていることを考慮すると、好位から差す競馬を考えているはずです 。それでは、逃げるのはどの馬なのでしょうか。候補としては、内からダ ービーレグノ、外からステイゴールドの2頭です。この2頭なら、スロー ペースは確実なので、ここではどちらが逃げるかということに固執しませ ん。最初スローペースで進み、1000mを過ぎたあたりから徐々にペー スアップする展開で、後半の1200mを如何に早く走れるかという戦い になると思います。長くいい脚を使える馬が、有利になりそうです。

 今回のポイントは、テイエムオペラオーとメイショウドトウの戦いです 。これまではテイエムオペラオーが5勝で、メイショウドトウはまだ1度 も勝ったことはありません。メイショウドトウ陣営の悔しさは尋常なもの ではなく、今回は得意の距離なので、負かすならここと勝負を賭けてきて います。ムチを入れて目一杯に追った調教と絞り込んだ馬体から間違いあ りません。では、どんなレースを陣営は考えているのでしょうか。天皇賞 (春)ではテイエムオペラオーより前に行く予定でしたが、結局出遅れて 後ろからの競馬になってしまいました。今回は天皇賞(春)でイメージし ていたように、テイエムオペラオーより前に行き、ゴールまで鋭い脚が使 える位置からスパートして、後続を完封する競馬をすると思います。今回 は前々で早めにスパートする強気の競馬、それがメイショウドトウ陣営の 結論でしょう。

 対するテイエムオペラオーは、調教の動きが素晴らしく、まさに絶好調 と言っていい状態です。和田騎手が「この状態で負けたら馬に失礼」と離 しており、今回はかなりの自信を持っています。この自信から、少々無理 な競馬をしても大丈夫だと少なからず思っているので、こちらも強気の競 馬をしそうな感じがあります。和田騎手は、いつも通り前を行く馬を射程 圏に入れ、直線で差す競馬をイメージして騎乗すると思いますが、今回は どうなるでしょうか。メイショウドトウが強気の競馬で早めにスパートす れば、テイエムオペラオーも間違いなくスパートするでしょう。大阪杯の ときのように、強引に捲くるようなことはしないと思いますが、メイショ ウドトウを早めに潰しにかかるはずです。こうなった場合に苦しくなるの は、メイショウドトウの方でしょう。過去に何度も苦しい競馬で勝ってい るテイエムオペラオーの方が地力は上で、天皇賞(春)からの上昇度も考 慮すると、今回もメイショウドトウを負かせると思います。

 メイショウドトウは、早めにテイエムオペラオーに来られて交わされる ようだと、失速するケースも考えられます。全力で走っている馬が他馬に 交わされると、ストレスが大きくなって走る気をなくすことが良くあるか らです。その場合には、差し馬が大きく浮上します。好位を進み、テイエ ムオペラオーとメイショウドトウに力勝負を挑んで好走できる馬は、この 中にはいないと思います。実績あるステイゴールドは、得意とは言えない 休み明け、ダイワテキサスは調教の動きはいいですが、地力勝負では2頭 に劣ります。やはり差し馬に狙い目があります。12頭と頭数が少ないの で、外を捲くってもそれほどコースロスにはなりません。長くいい脚が使 える差し馬を狙いたいと思います。

 その候補は、エアシャカール、アドマイヤボス、マックロウ、トーホウ ドリームの4頭です。この中で最も魅力を感じるのが、エアシャカールで す。天皇賞(春)は、馬場に脚を取られ、まともな競馬ができなかったの で、評価を下げる必要はありません。それよりも、大阪杯で2着したとき の息の長い末脚に注目したいと思います。テイエムオペラオーと同じ59 キロを背負って、実際に差し切ったわけですから、その破壊力は評価して いいでしょう。タイム的に見ても息の長い末脚はメンバー中1番で、今回 はいい頃のエアシャカールに戻っているので上位争いできそうです。大外 を捲くる競馬で、テイエムオペラオーとメイショウドトウに迫れると思い ます。

 他では、アドマイヤボスが気になるところですが、調教の動きからいつ ものインパクトが感じられなかったので、強くは推せません。それでも、 能力はここでも捨て切れないものがあるので、抑えの評価をしておきます 。マックロウは、京都記念でアグネスフライトとナリタトップロードを差 し切った34秒1の脚がありますが、長く脚を使うというよりは一瞬の切 れ味を生かすタイプなので、今回は見送ります。トーホウドリームは、調 教でモッサリとした動きで仕上がりがイマイチなので、安藤勝騎手を持っ てしても連対するのは難しいと判断しました。

 まとめるとラスト1000mからメイショウドトウが早めに仕掛け、そ れをテイエムオペラオーが追いかけて、直線で早めに交わす競馬。エアシ ャカールが大外を捲くって2頭に迫るということになります。本命は、テ イエムオペラオーです。絶好調で望む今回は、横綱相撲の競馬で王者の貫 禄を見せてくれるでしょう。4勝している得意の阪神コースもプッシュ材 料です。対抗は、エアシャカールです。メイショウドトウも簡単には失速 しないでしょうが、この展開ならエアシャカールの息の長い末脚を上位に 取りたいと思います。確実に状態はアップしているので、今回は持ち前の 豪脚が見られそうです。

     ◎テイエムオペラオー
     ○エアシャカール
     ▲メイショウドトウ
     △アドマイヤボス


レース結果

 2001年3回阪神4日( 6月 24日) 11R  
 第42回 宝塚記念(GI) 
 サラ系3歳以上 2200m 芝・右  
 (国際)(指) オープン 定量 
 本賞金: 13200、 5300、 3300、 2000、 1320万円 発走 15:40 
 天候:晴  芝:良  
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 着 予 枠 馬      馬  名         性齢  重量     騎手   タイム   着差       馬体重   調教師  人気
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  1 ▲ 3  3 (外)メイショウドトウ  牡 5 58.0kg  安田康彦 2:11.7        508Kg  -6 安田伊佐  2
  2 ◎ 4  4 (市)テイエムオペラオー 牡 5 58.0kg  和田竜二 2:11.9 1 1/4馬身  474Kg  -4 岩元市三  1
  3   5  6 (抽)ホットシークレット せ 5 58.0kg  柴田善臣 2:11.9 ハナ     450Kg  -4 後藤由之  8
  4   7  9    ステイゴールド   牡 7 58.0kg  後藤浩輝 2:12.1 1 1/2馬身  424Kg   - 池江泰郎  5
  5 ○ 6  8    エアシャカール   牡 4 58.0kg  蛯名正義 2:12.3 1 1/4馬身  500Kg  -8 森秀行   3
  6 △ 8 11    アドマイヤボス   牡 4 58.0kg  デザーモ 2:12.3 ハナ     478Kg  -6 橋田満   4
  7   6  7    ダイワテキサス   牡 8 58.0kg  岡部幸雄 2:12.4 3/4馬身  462Kg  -2 増沢末夫  9
  8   8 12    マックロウ     牡 4 58.0kg  藤田伸二 2:12.7 2馬身    456Kg -10 松田博資  7
  9   7 10 (外)アドマイヤカイザー 牡 5 58.0kg  芹沢純一 2:12.8 クビ     446Kg  -4 橋田満  11
 10   5  5 (父)トーホウドリーム  牡 4 58.0kg  安藤勝己 2:12.9 3/4馬身  466Kg  +2 田島良保  6
 11   2  2    ダービーレグノ   牡 3 53.0kg  幸英明  2:13.5 3 1/2馬身  454Kg  +4 高橋成忠 12
 12   1  1    ミッキーダンス   牡 5 58.0kg  河内洋  2:13.6 クビ     494Kg  -2 服部利之 10
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 ハロンタイム  13.2 - 11.2 - 11.7 - 12.7 - 12.5 - 11.8 - 11.8 - 11.6 - 11.5 - 11.6 - 12.1  
 上り  4F 46.8 - 3F 35.2 
 1コーナー  6-10,11,3,1,7,4,5,9(2,8)12  
 2コーナー  6-10,11(1,3)5(4,7)9(2,8)12  
 3コーナー  6,1(10,11,3)(5,4,7)9(2,8)12  
 4コーナー  (6,*3)1(11,9)(10,5,8)4,7(2,12)  

 <払戻金> 
 単勝 03 340円 2番人気  枠連   3- 4   200円  1番人気
 複勝 03 120円 2番人気  馬連  03-04   210円  1番人気
    04 110円 1番人気  ワイド 03-04   150円  1番人気
    06 410円 9番人気      03-06 1,020円 16番人気
                      04-06   940円 15番人気

レース回顧

 メイショウドトウが、宿敵テイエムオペラオーを破ってついにG1制覇 。G1で5戦連続テイエムオペラオーの2着と苦渋を飲まされていました が、積極的な競馬でついにG1馬の称号を手に入れました。渾身の仕上げ で望んだメイショウドトウ陣営も、これほどうれしいことはないでしょう 。この勝利で、天皇賞(秋)の出走権をほぼ手中に収め、秋は余裕を持っ たローテーションが組めることは大きいことです。テイエムオペラオーと の戦いは、天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念と続きますが、この 馬の類稀なタフネスぶりから、今年も好走できるのではないでしょうか。 今回の積極的な競馬で見い出した自信が過信に変わらなければ、テイエム オペラオーが相手でも連勝まであると思います。

 2着に敗れたテイエムオペラオーは、4コーナーでの不利が敗因ですが 、ダイワテキサスの岡部騎手に道中徹底的にマークされて、外に出せなか ったのも敗因のひとつでしょう。道中ずっと併せる形で馬へのストレスが 増大し、結果として3,4コーナーで行き脚がつかなかったような気がし ます。それにしても、このところテイエムオペラオーに対するマークが、 非常に厳しくなってきています。有馬記念では1対Nという競馬で他馬に 徹底的にマークされ、大阪杯ではアドマイヤボスに早めに外から併せに来 られるなど、そう簡単にテイエムオペラオーばかりにG1を勝たせないと いう各陣営の意思が伝わってきます。今回、ダイワテキサスが岡部騎手に 乗り替わった理由は分かりませんが、シンボリルドルフでG1−7勝を挙 げた岡部騎手に、そう簡単にテイエムオペラオーにG1−8勝目を挙げさ してなるものかという意気込みが、あったようにも思えます。道中テイエ ムオペラオーの外にピッタリつけて、外に出させないように封じ込める騎 乗。テイエムオペラオーが3,4コーナーでズブさを出せば、馬群を捌く のに苦労すると、岡部騎手は最初から分かっていたのではないでしょうか 。念のため、付け加えておきますが、岡部騎手の騎乗は、何も悪いところ はなくフェアプレーです。断然の1番人気の馬を負かすためには、こうい う騎乗をするのは当然のことです。

 秋のG1シリーズであと1勝すれば、シンボリルドルフを抜いて歴代ト ップになるテイエムオペラオー。周囲からのプレッシャーは、秋のG1シ リーズでも更に厳しくなると思いますが、それを押し退けて、ぜひともG 1−8勝の大記録を打ち立てて欲しいものです。では、回顧です。

 メイショウドトウ は、3,4番手と積極的に先行する競馬。3コーナーからスパートし、4 コーナーで先頭に立つと後続を一気に突き放して1着でゴール。4コーナ ーで内に切れ込み、他馬に不利を与えたのは頂けませんが、自分から積極 的に動いて勝ったのですから、評価しないといけません。テイエムオペラ オーが、4コーナーで前が詰まる不利があり、まともならテイエムオペラ オーが勝っていたと言う人もいますが、積極的な競馬で不利を最小限にし て(自分が不利の発端ではあるが…)勝ったメイショウドトウの強さを評 価すべきでしょう。パドックでは、腹回りがスッキリとし、研ぎ澄まされ た馬体はいつもより威圧感が増して見えました。何より目立っていたのが 落ち着きぶりで、各馬が暑さで発汗し気合が散漫になる中で、ぐっとクビ を下げ気合満点だったところです。返し馬をやった後も汗の量が少なく、 やはり気合が目立っていました。陣営の意気込みが馬に伝わったのかと思 わせるところが、随所で見受けられました。今回の勝利で10戦連続連対 。この堅実さとタフネスぶりは特質もので、いつまで続くのか非常に興味 深いところです。休み明けでもきっちり力を出せるタイプなので、秋も初 戦からいい走りを見せてくれるでしょう。積極的に前に行き、自分でレー スを作れる強みは、今後のG1戦線で非常に大きいものになるでしょう。 今度は、メイショウドトウが連勝する番なのかもしれません。

 テイエムオペラオー は、中団を進み、3コーナーから除々にスパートする競馬。4コーナーで 前が塞がる不利で後方に下がりましたが、そこから鋭い末脚で何とか2着 を確保しました。道中はダイワテキサスの岡部騎手にべったりマークされ 、4コーナーでは前が詰まって和田騎手が立ち上げる致命的な不利があり ましたが、それでも直線鋭く伸びて2着を確保したのは底力の証でしょう 。ラスト100mからの末脚は、今までに見せたことがないほどの切れ味 で、この馬の最後まで絶対に諦めない勝負根性を見た気がします。昨年の 有馬記念あたりから、各馬のマークが厳しくなっているので、競馬がやり ずらいのは確かですが、これだけG1を勝てば仕方がないことでしょう。 3,4コーナーでズブさのある馬なので、和田騎手には早めにスパートし て欲しかったですが、あまりにマークが厳しく仕方ないところでしょうか 。強引にスパートできなかったのは、4着に敗れた大阪杯のことが頭にあ ったからかもしれません。和田騎手が、「テイエムオペラーが3,4コー ナーで押してもズブいのは、前にいる馬を見ていて交わせるのが分かって いるから。」と話している記事を読んだことがあります。苦しくてズブさ を出しているのではなく、馬が競馬を分かっていて、わざと力を抜いて走 っているということなのです。以前、テイエムオペラオーが丈夫なのは、 上下のブレがない走法で脚に負担が掛からないからと書きましたが、力を 抜いて走っていることも大きなことなのでしょう。この馬には色々と教わ ることがたくさんあります。パドックでは、引き締まった馬体で歩様に柔 らかさがあり、天皇賞(春)よりもいい状態に見えました。今後は休養し て秋のG1シリーズに備えることになりますが、無事に過ごしてもらいた いものです。各馬のマークは、更に厳しくなりますが、それを押し退けて 、ぜひともG1−8勝目を挙げてもらいたいと思います。良馬場の時計勝 負でも、十分に対応できる馬です。

 ホットシークレット は、スタートしてすぐ逃げる競馬。道中少しスローに落とし、その後は一 貫したペースで進むと、最後まで粘ばりに粘って3着を確保しました。直 線でメイショウドトウに交わされた後もよく粘っています。目黒記念は差 す競馬でしたが、今回は好スタートを切り、この馬本来の逃げる競馬で結 果を出しました。以前は腹回りがボテッとして馬体に窮屈さがありました が、だいぶ腹回りがスッキリして、馬体を長く見せるようになっています 。元々、気分屋で走りにムラがある馬なので、今回3着したからと言って も買いづらいところは変わりません。今後は、調教で気分良く走っている ことかどうかを最大のチェックポイントにして、判断していこうと思いま す。G1を勝つには、もうワンパンチ欲しいところです。

 ステイゴールド は、後方4番手を進み、3コーナー過ぎから外目を捲くって先団に取りつ きましたが、直線で鋭い脚を持続できずに4着まで。調子はそれほど良く ありませんでしたが、人気の4歳馬エアシャカールとアドマイヤボスを抑 えて4着したのですから、誉めていい走りではないでしょうか。馬体が細 いくらいに見えるときの方が走る馬ですが、今回は細くは見えましたが、 馬自身の覇気があまり感じられませんでした。海外遠征の影響なのかもし れません。ただし、この状態で4着したのですから、7歳馬でも衰えはあ りません。念願のG1制覇に向けて、秋にも元気な姿を見せてもらいたい ものです。今までに2度2着がある天皇賞(秋)が最大のチャンスでしょ う。

 エアシャカール は、後方2番手を進み、外目を捲って4コーナーで中団まで押し上げまし たが、直線で伸び切れずに5着敗退。4コーナーでごちゃついたことと、 直線で前が詰まったことで減速しましたが、脚があれば抜け出すことはで きたはずなので完敗でしょう。直線でもたれて、蛯名騎手が追いづらそう にしていた姿が印象的でした。能力ありますが、やはり難しい馬です。パ ドックでは、張りのある馬体は目立っていましたが、暑さで少しイライラ しているように見えました。今後は、8/18のアーリントンミリオン(米G 1芝2000m)に遠征する計画があるそうです。芝2000mは現時点 ではベストでしょうから、いいレースを見せてもらいたいと思います。

 アドマイヤボス は、積極的に3番手を進んで流れに乗りましたが、4コーナーでメイショ ウドトウに寄られ、行き場を失い下がる不利があって6着敗退。勝負どこ ろの大きな不利でしたが、直線で再度伸びて6着まで追い上げたのですか ら、内容的には悲観するものではありません。ただ少し気になるのは、馬 体に威圧感がなくなってきているところです。馬体が引き締まってだいぶ スッキリとしてきましたが、威圧感が少なくなっているような気がします 。調教でもフワフワとした走りで、力強さがあまり感じられなくなってい ることも、少し嫌な感じがします。サンデーサイレンス産駒の場合、馬体 がこじんまりとまとまって見えるのは良くない傾向です。調子落ちなのか 、底を見せたのか、今の時点で判断つきませんが、少し注意して見ていき たいと思います。まずは、調教で迫力ある動きを見せてもらいたいもので す。



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