有馬記念
2001/12/23 中山競馬場 G1 芝2500m

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レース展望

出走有力馬

テイエムオペラオー
この秋のG1は天皇賞秋2着、ジャパンC2着と惨敗続きだが、決して競馬の 内容は悪くない。経験を積んだことで競馬が上手になった分、早め抜け出しの 競馬になって最後差されているが、競い合いのレースになれば負けないという のがみなの一致した見解だろう。まだ王者は陥落していない。京都大賞典のレースぶ りを見て、昨年よりほんの少しだけ衰えてきていると言ってきたが、元々叩か れながら調子を上げるタイプで、ここ2戦のレースぶりからは衰えはないと判 断したい。王者オペラオーに対して失礼なことを言ったと素直に反省だ。この 中間も順調で一週前調教でも抜群の動きを見せたように状態に不安はない。昨年 はカイバ喰いが悪く、馬体の維持に苦労していたが、今年はそんな不安は今の ところなく、昨年より体調がいいくらいだ。ジャパンCで好走した馬は有馬 記念で好走できないという時代は、昨年自らが終止符を打ったように過去の話。 今年の春の大阪杯で調整がうまくいかずに4着に敗れた以外は、昨年の京都記念 から連対を外していない。G1では8戦して6勝2着2回と連対率100%を 2年間キープしている。これほど安定した走りをしてきた馬が過去にいるだろ うか。怪我ひとつせずにこれまで走れてきたのは、馬体の良さもさることなが ら、バランスのいい走法が脚に負担を掛けないからだろう。この馬の走りには 縦のぶれがない。今後馬を見る上で基本にしたい走法のひとつだ。ぜひ覚えて おいてもらいたい。ついにテイエムオペラオーのラストラン。今回もマークが きつくなりそうだが、逆にマークされて直線で叩き合いになった方がいいという 気楽な気持ちで和田騎手には乗って欲しいものだ。世紀に渡るの名馬の走りを くっきりと目に焼き付けようではないか。
テイエムオーシャン
桜花賞、秋華賞を勝った牝馬2冠馬が挑戦してきた。秋華賞を休み明けで使っ たのは、最初から有馬記念を想定していたからのこと。この馬の能力を考えれば 有馬記念を意識するのは当然のことだろう。ここまでは順調にきている。 まず前走のエリザベス女王杯を整理しておくと、ハイペースのきびしいレース で先行して早めに抜け出した分最後差されたが、ゴール前までしぶとく粘っ たのは評価できる内容。先行馬で粘ったのはこの馬だけだ。牡馬との力関係だが、 秋華賞で同じような競馬をして勝ったファビラスラフィンがジャパンCで シングスピールのハナ差2着したようにレベルが高い牝馬なら十分通用という のが持論だ。牝馬の場合、年齢に限らず調子が良くて勢いのあるときが買い だと思っている。オークスで3着に敗れたことで距離を不安視する声もある ようだが、オークスはローズバドの出し抜けを喰らって本来の走りができな かっただけのことでそれにこだわるのはどうだろう。ただし、ベストはスピードが最大限に生か せる2000mまでだろう。阪神コースで3戦3勝しているように直線に坂 があるコースの方が合うタイプ。中山の坂も無難にこなしてくれるだろう。 本田騎手が今回は好位からの競馬しないと話しているので、どんな競馬をする のかを読むことがポイントになりそうだ。テイエムオペラオーがG1−8勝 の大記録がかかるが、同一馬主のテイエムオーシャンがそのアシストに回る という競馬だけはしてもらいたくない。この馬も勝つ力を持っている。
ナリタトップロード
京都大賞典で落馬して天皇賞秋は出走できなかったが、ジャパンCで3着し 復調の兆しを見せた。向こう正面で手応えが悪く後方まで下がったが、直線 で外からステイゴールドを差したのは評価したいところだ。レース後も 順調に調教を消化し、今年の中山は馬場がいいということで急遽参戦してきた。 一昨年は7着、昨年は9着と満足の結果が出せない有馬記念だが、今年は馬場 がいいだけに魅力がたっぷりだろう。この馬は使い込むと疲れが溜まって良くないが、 この秋はまだ2戦しかしていないので疲れはなく、動きを見ても前走より 明らかに上昇している。「災い転じて福となる」ということわざがあるが、 まさのその状態になろうとしている感じがある。古馬になってテイエムオペ ラオーには10戦10敗。最後に一矢を報いることができるか、パンパン の良馬場のスピード決着が逆転への条件なのは言うまでもない。歴史に残る 名勝負を期待したい。
メイショウドトウ
天皇賞秋は逃げる競馬になって3着、ジャパンCは1コーナーで前が詰まる 不利で外傷を負って不本意な競馬で5着とこの秋はストレスの溜まる競馬に なっている。この馬も今回がラストラン。陣営も何とかしたい気持ちで一杯 だろう。ひとつ気になるのは、調教での動きに迫力が感じられなくなってき ているところ。以前はもっと前脚の掻き込みが力強かったが、最近はその 力強さが影を潜めている。黄色いバンテージの効果で一見良く見えるが、そ れに騙されてはいけない。良く見て欲しい。馬体を見る限りはどこも悪い ところは見当たらない。馬の気持ちなのか、何なのか良くわからないが、 最終調教でどんな動きを見せるかまずは注目したい。あとは、安田康騎手の 作戦だろう。切れ味勝負では分が悪いので、それを補う競馬、強気に早めに 仕掛けて粘り込んだ宝塚記念のような競馬を意識しているような気がする。 雨が降って馬場が悪化するようだとテイエムオペラオーも有利になるが、 メイショウドトウもかなり有利になるということを付け加えておく。
トゥザヴィクトリー
エリザベス女王杯で一気の脚質転換で差す競馬で優勝したが、次走のジャ パンCは向こう正面でかかってしまい、ラストばたばたとなって14着に 敗退した。ジャパンCではステイゴールドのアシストを思わせるレース ぶりだったが、どうなのだろう。この一戦だけでこの馬の評価を下げる つもりはないが、中1週で使ったこと、大敗したことで馬が嫌気をさして いないかが気になるところだ。レース後も順調に調教を消化している ようだが、一週前調教で、馬体、特に腹回りが少し細いのが気になった。 牝馬だけにふっくらしていた方がいい気がするがどうだろう。今回も 武豊騎手は、逃げる競馬が理想と話しているようだが、もう騙される人 はいないだろう。豊マジックを読み切るのが、今回のポイントではない ような気がしている。
マンハッタンカフェ
菊花賞で早めにスパートして逃げたマイネルデスポットをきっちり交わして G1制覇したが、まだ全幅の信頼を置くレベルではないとみている。長距離 の適性は高いのは認めるが、まだ馬体を持て余して走っているような感じ でこれから成長すればといった感じだからだ。今回は古馬の一戦級との 戦いで厳しいレースになったときに直線で抜け出せるかどうか不安が 残る。菊花賞後にひと息入れたが、その後順調に乗り込んで仕上がりは 良さそうだ。菊花賞のときより、更に成長した姿を見せるようなら少し 見直したい。
シンコウカリド
セントライト記念を勝った後、爪に不安が出てひと息入ったが、調教の ペースも徐々に上がってきているので、久々でも仕上がりはよさそうだ。 春には気性は悪く、非常にうるさい馬だったが、徐々に気性が成長して きたのが、力を出せるようになった要因のひとつだろう。インパクトの ある馬体はだいぶ成長してしっかりしてきたが、もっと馬体をすっきり 見せたときがこの馬が完成するときだろう。グラスワンダーと同じシル バーホーク産駒で、グラスワンダーほどではないが、前脚の掻き込みが だんだんと力強くなってきたのは好印象。混戦になれば、チャンスは なくはないだろう。



■ ステップレース 

日付レース1着馬2着馬
2001/01/14日経新春杯ステイゴールドサンエムエックス
2001/01/21AJCCアメリカンボスロードプラチナム
2001/02/11ダイヤモンドSイブキヤマノオーメジロランバート
2001/02/17京都記念マックロウアグネスフライト
2001/03/18阪神大賞典ナリタトップロードエリモブライアン
2001/03/24日経賞メイショウドトウマチカネキンノホシ
2001/04/01大阪杯トーホウドリームエアシャカール
2001/04/29天皇賞(春)テイエムオペラオーメイショウドトウ
2001/05/13新潟大賞典サイレントハンターオースミブライト
2001/05/19目黒記念ホットシークレットマックロウ
2001/05/26金鯱賞ミッキーダンスダイワテキサス
2001/06/24宝塚記念メイショウドトウテイエムオペラオー
2001/07/08七夕賞ゲイリートマホークマイネルタンゴ
2001/07/15北九州記念エイシンプレストンロサード
2001/07/22函館記念ロードプラチナムクラフトマンシップ
2001/08/12小倉記念ロサードトウカイオーザ
2001/08/19札幌記念エアエミネムファイトコマンダー
2001/08/26新潟記念サンプレイスエアスマップ
2001/09/08朝日チャレンジCイブキガバメントトウカイパルサー
2001/09/23オールカマーエアスマップゲイリートマホーク
2001/10/07毎日王冠エイシンプレストンロサード
2001/10/07京都大賞典テイエムオペラオースエヒロコマンダー
2001/10/14秋華賞テイエムオーシャンローズバド
2001/10/28天皇賞秋アグネスデジタルテイエムオペラオー
2001/11/11エリザベス女王杯トゥザヴィクトリーローズバド
2001/11/04アルゼンチン共和国杯トウカイオーザハッピールック
2001/11/25ジャパンCジャングルポケットテイエムオペラオー
2001/12/09鳴尾記念メイショウオウドウダイタクリーヴァ



過去のレース結果 

日付1着馬2着馬馬連配当
1996年 サクラローレル マーベラスサンデー 900円
1997年 シルクジャスティス マーベラスサンデー 1,240円
1998年 グラスワンダー メジロブライト 4,430円
1999年 グラスワンダー スペシャルウィーク 470円
2000年 テイエムオペラオー メイショウドトウ 380円


調教診断

ナリタトップロード A/
栗DWでラスト一杯に追われて、重心をの低い走りでラスト11.6秒 の切れ味を見せた。追われてからの反応の良さ、前脚の捌きの軽快さと いい、前走も状態は良かったが、更に良化した印象。パッとしなかった 毛づやもだいぶ良くなってきた。いつも注意して見ている前脚の掻き込 みも上がり過ぎずにいい感じで、ほぼ万全の仕上がりだ。パンパンの良 馬場なら上位争い必死だろう。
テイエムオペラオー A/
栗CWでラスト強めに追われると迫力を感じさせる走りで併走馬を一気 に突き放した。腹回りに若干余裕があるが、このひと追いで馬自身がカ イバを調整してくるので心配する必要はないだろう。逆にこれくらいフ ックラしている方がガレるより安心感がある。陣営が調子が上がってき たと言っているように最後の一戦にしてこの秋1番のデキ。この仕上げ で負けたら、運がなかったということだ。今回も強いオペラオーが見ら れそうだ。
テイエムオーシャン A/
栗坂で馬なりで併走馬を追いかけてやや遅れたが、相変わらずバネの 利いたフットワークを見せ、ラスト12.3秒の切れ味。これまでは 抑えても馬自ら目一杯に走ってしまうところがあったが、今回は馬自身に 余裕が感じられ、抑えられたところを高評価。レースでも折り合いを 欠かなくなってきたように精神面の成長が伺える。調教で少し余裕を 残せたことがいい結果に繋がりそうな予感がする。馬体の張りも十分 で、前走より若干だが良化している。
マンハッタンカフェA/
南Wで一杯に追われて、ラスト12.1秒の伸び脚を見せ、好調を アピールした。大型馬だが脚捌きが軽快で重々しさを感じさせないの がこの馬のいいところ。切れるというよりパワーで走るというタイプ だけに切れ味勝負になると辛いが、現時点での仕上がりはほぼ万全 とみたい。菊花賞のときより若干状態は良化したが、それほど成長し た印象はない。まだこれから成長する雰囲気を感じさせる馬だ。
シンコウカリド A/
南Wで3頭併せで強めに追われて、ラスト12.5秒の切れ味を見せ た。追われてからの脚捌きも力強く、久々だが調子は良さそうだ。 馬体に重厚感があるので重い印象を受けるが、この馬の体型なので 何ら問題ないとみている。今回も前脚の曲がりが深く力強いので、久々 でも力を出せるだろう。
メイショウドトウ A→
栗坂で強めに追われて、最後までしっかり伸びたが、フォームが少し 小さくなった感じで、動きはそれほど良く見えないというのが正直な ところ。この秋は動きに迫力が薄れてきている印象で、ジャパンCの ときと同じような感じだ。それでも、馬体の張りは良く、毛づやも いいので体調が悪いということはない。パドックでうるさいくらいに 気合乗りが良ければ、少し評価を上げたい気もする。
トゥザヴィクトリー B→
栗DWで単走で強めに追われて、スピード感のある動きでラスト 12.4秒でまとめて見せた。クビの高い走りはいつものことで、 馬体が若干細く見えるのが少し気になる感じ。デキは平行線だ。
トウカイオーザ B→
栗坂で強めに追われて、軽快な脚捌きで最後までしっかり伸びた。 だいぶ馬体に迫力が出て大きく見せているのがいいが、まだ成長 して欲しいところはたくさんあるといった感じ。毛づやもいいの で前走のデキをキープと判断したい。
ダイワテキサス B→
南Wで一杯に追われて、最後まで気を抜かずにしっかり伸びた。 いつものように牧原騎手が騎乗して、大外から豪快に追い込んで 先着したように8歳馬だが衰えていない。競い合いになって前を 捕えに行こうとする気持ちがあるのがいい。この馬なりに好状態 をキープしている。
アメリカンボス B→
南Wで馬なりで併せ馬。直線でも手綱を抑えたままだったので、 ラスト13.2秒掛かったが、馬体もきっちりできているので 調子落ちは感じられない。前走のデキをキープしている。
メイショウオウドウ B→
栗坂で馬なりだったが、バネの利いた走りで、中1週の疲れは 感じられない。軽めの調教なので強調材料は少ないが、この馬 なりに順調といったところ。
ホットシークレット B→
南Wでトウカイポイントと併せて、ラスト一杯に追って先着した。 追われてから重心を低くして伸びたところまでは良かったが、 ラスト一杯になったようにまだ完調一歩手前といった印象。
イブキガバメント B→
栗坂で強めに追われて、力強い脚捌きで登坂したが、ラストは 一杯になって併走馬に先着を許した。前走より、若干迫力に欠け る動きでやや物足りなさが残った。良くて平行線だろう。

相馬眼予想

 さあ21世紀最初のグランプリ「有馬記念」。昨年からずっとG1 で連対してきた王者テイエムオペラオーがついにラストランを迎える。 今回勝てばG1−8勝となり、シンボリルドルフの7勝を抜き歴代 トップに立つことなる。果たしてテイエムオペラオーは、G1−8勝 の大記録を達成できるのだろうか。名馬の走りをしっかりとこの目に 焼き付けたい。

 さて予想の方は、各馬の適性、能力比較、調子、各陣営の作戦、レース 展開など、1週間じっくりと検討してきたが、やっとレースが見えて 結論が出た。予想は長文となったが、じっくり読んでいただきたい。

 まず中山の馬場状態だが、土曜日のクリスマスC(1600万条件、 芝1200m)の勝ちタイムが1分8秒4が出ているように先週に引き 続いてこの時期としては高速馬場だ。3,4コーナーの内側に若干の 傷みが見られるが、全体的には芝が生え揃っていい状態だ。馬場がいい ことで有利になるのは、ナリタトップロードとテイエムオーシャンの 2頭だ。ナリタトップロードは、前脚の掻き込みが強過ぎるので重馬場 や荒れた馬場だとパワーと使い切ってしまうので、こういう高速馬場 は向くタイプ。テイエムオーシャンは、力のいる馬場もこなせるが、 本質的にはスピードを生かせる高速馬場の方が強い競馬ができるタイプ だ。この2頭には、アドバンテージを与えたい。

 逆にどちらかというと力のいる馬場の方がいいのは、アメリカンボス、 マンハッタンカフェ、シンコウカリドの3頭だ。マンハッタンカフェ は、だいぶ鋭さが出てきたが、どちらかというとパワー型で力のいる 馬場の方が歓迎のタイプ。シンコウカリドもパワー型で、荒れ馬場の 皐月賞で4着、やや重のセントライト記念を優勝しているように力の いる馬場の方がいいタイプだ。この3頭はやや割り引きたい。人気の テイエムオペラオー、メイショウドトウは、これまでの実績から何の 問題ないことを付け加えておく。

 次に各馬の調子だが、良く見えたのは、ナリタトップロード、 テイエムオペラオー、テイエムオーシャンの3頭。ナリタトップロード は、ジャパンCのときも良かったが更に動きに迫力が出て良くなった 印象。テイエムオペラオーは、ジャパンCのときは馬場が悪く ややもたついた感じがあったが、今回は反応も良く、迫力を感じさせ る動きでこの秋1番のデキだ。テイエムオーシャンは、バネの利いた 走りは相変わらず良く見えたが、今回は目一杯に走らずに抑えられた ところを高く評価したい。この3頭は、ほぼ万全の仕上がりだ。

 あと良く見えたのが、マンハッタンカフェとシンコウカリドの2頭。 マンハッタンカフェは、菊花賞からそれほど成長した感じはないが、 軽快な脚捌きで調子は良さそうだ。シンコウカリドは、前脚の捌きが 力強く、追われてからの反応も良く、久々を感じさせない。問題な のは、メイショウドトウ。フォームが少し小さくなった感じで迫力が 薄れてきている感じで印象はあまり良くない。馬体の張り、毛づやは いいので体調が悪いということはないが、少し割り引きたい。

 次に展開だが、ホットシークレット、メイショウオウドウ、テイ エムオーシャン、トゥザヴィクトリーの出方を読む必要がある。 ホットシークレットは、今回は久々だけに道中息を入れたいし、同じ 2500mの目黒記念で差して勝っていることから今回は差す競馬に 徹するはず。そういう意味も含めて、横山典騎手が騎乗するとみて いる。メイショウオウドウは、鳴尾記念で逃げる競馬でアッと言わせたが、 距離とこれまでのマイラータイプが差して結果を出していることを 考えると逃げる可能性は少ない。

 テイエムオーシャンは、西浦調教師が今回は差す競馬をすると話し ており、いつものように2,3番手の競馬ではない。調教でも馬の 後ろで抑える形を何度も稽古しており、差す競馬で間違いないだろう。 最後にトゥザヴクトリーだが、武豊騎手が逃げる競馬が理想と話していた エリザベス女王杯で後方からの競馬。今回も同じことを話している がどうなのだろう。ポイントなのは2番枠。スタート直後に3コーナ ーを迎えるコースで抑えると逆に掛かってしまう恐れがあること、 他に逃げる馬がいなければ単騎でスローペースで逃げられることから、 今回は逃げる競馬をするとみている。

 トゥザヴィクトリーが単騎で逃げてスローペースの展開。メイシ ョウドトウ、ナリタトップロード、テイエムオペラオー、テイエム オーシャン、マンハッタンカフェ、シンコウカリドが好位から中団 で各馬が一団、後方からは、トオウカイオーザ、イブキガバメント、 メイドウオウドウの3頭が進む展開になりそうだ。向こう正面まで 淡々とした流れで進み、スローペースを意識して向こう正面で各馬 早めに動き出すことになる。

 3コーナー手前から積極的に動き出すのは、メイショウドトウと ナリタトップロード。メイショウドトウは、ここ2戦思い切った レースができずに敗れているので、安田康騎手は早めに仕掛けて力 勝負に持ち込むはず。安田康騎手もこの馬の力を出し切る競馬を すると話しており、まず間違いないだろう。ナリタトップロードは、 テイエムオペラオーとの最後の対戦で小細工することはないだろう。 テイエムオペラオーを完封した菊花賞と同じような競馬をするはずだ。

 向こう正面過ぎから自然とペースが上がり、ナリタトップロ ードとメイショウドトウがスパートして一気に11秒台のラップに なる。テイエムオペラオーの和田騎手は、2頭が早めにスパート するのは想定通りだろう。自分も徐々にスパートして射程圏に入れながら の競馬になる。強気の蛯名騎手が騎乗するマンハッタンカフェも 一気にスパートすることになる。

 3コーナー手前からのスパートすることで例年なら上がりが掛か りそうだが、今年は馬場がいいだけにそれほど掛からないという のがポイントになる。今年は例年以上にスピードの持続性が重要に なるというのがここでの結論だ。重厚なパワー型のステイヤーより、 スピード持続タイプが活躍するはずだ。候補としては、テイエム オペラオー、ナリタトップロード、テイエムオーシャンの3頭が 該当する。トゥザヴィクトリーもスピード持続タイプだが、直線 平坦のコースでも末が甘くなるだけに中山はマイナスとみて買え ても抑えの評価だ。

 さあ最終決断。本命は、テイエムオペラオー。この秋3戦した が徐々に調子を上げて今回がこの秋1番のデキなら、まず負ける ことはないだろう。メイショウドトウ、ナリタトップロードとは 能力の面で勝負付けが済んでいるので、直線で早めに交わして 後続を完封するはずだ。昨年はマークされて厳しい競馬になった が、今年は好位からの競馬ができるようになっているのも心強い 。普通に走れば勝てる馬、予想は簡単でいいだろう。

 対抗は、テイエムオーシャン。調子の良さとスピード持続性を 重視して狙ってみたい。今回は初めて差す競馬になるが、 調教でも抑えが利くようになっているし、この馬の前を捕えてや ろうという性格からしても差す競馬が十分できるとみている。 3歳牝馬が古馬牡馬に勝てるのかと疑問に思う方もいるかもしれ ないが、ここ10年でトップレベルの牝馬なら十分に通用する はずだ。テイエムオペラオーが早めにナリタトップロードと メイショウドトウを交わせば2頭のスピードは落ちるので、そこ を外から差すというイメージ。2分11秒3の高速決着にな ったエリザベス女王杯で1番強い競馬をしたテイエムオーシャン が、牡馬を差し切る姿が目に浮かぶ。

 あとは、高速馬場でスピードの持続性が生かせるナリタトップ ロード、調教の動きは物足りないがこれまでの実績と中山コース の適性を重視してメイショウドトウ、久々でも調教の動きが目に ついたシンコウカリドの順。馬券は、テイエムオペラオーとテイ エムオーシャンを大本線で勝負してみたい。テイエムオペラオー がバトンを受け渡すのは、同じテイエムのオーシャンだ。

     ◎テイエムオペラオー
     ○テイエムオーシャン
     ▲ナリタトップロード
     △メイショウドトウ
     注シンコウカリド


レース結果

 2001年5回中山8日( 12月 23日) 9R  
 第46回 有馬記念(GI) 
 サラ系3歳以上 2500m 芝・右  
 (混)(指) オープン 定量 
 本賞金: 18000、 7200、 4500、 2700、 1800万円 発走 15:20 
 天候:晴  芝:良  
 -------------------------------------------------------------------------------------------------
 着 予 枠 馬      馬  名         性齢  重量     騎手   タイム   着差       馬体重   調教師  人気
 -------------------------------------------------------------------------------------------------
  1   4  4    マンハッタンカフェ 牡 3 55.0kg  蛯名正義 2:33.1        504Kg +10 小島太   3
  2   1  1 (外)アメリカンボス   牡 6 57.0kg  江田照男 2:33.3 1 1/4馬身  486Kg  +6 田子冬樹 13
  3   2  2    トゥザヴィクトリー 牝 5 55.0kg  武豊   2:33.3 クビ     488Kg  -2 池江泰郎  6
  4 △ 8 13 (外)メイショウドトウ  牡 5 57.0kg  安田康彦 2:33.3 アタマ    512Kg  +4 安田伊佐  2
  5 ◎ 8 12 (市)テイエムオペラオー 牡 5 57.0kg  和田竜二 2:33.3 アタマ    480Kg   0 岩元市三  1
  6 ○ 6  8    テイエムオーシャン 牝 3 53.0kg  本田優  2:33.5 3/4馬身  440Kg  -6 西浦勝一  8
  7 注 6  9    シンコウカリド   牡 3 55.0kg  田中勝春 2:33.7 1 1/4馬身  520Kg +20 宗像義忠  7
  8   5  7    メイショウオウドウ 牡 6 57.0kg  飯田祐史 2:33.7 ハナ     474Kg   0 飯田明弘 11
  9   7 10    トウカイオーザ   牡 4 57.0kg  デムーロ 2:33.7 クビ     492Kg +14 松元省一  5
 10 ▲ 4  5 (父)ナリタトップロード 牡 5 57.0kg  渡辺薫彦 2:33.9 1馬身    494Kg  +4 沖芳夫   4
 11   5  6    ダイワテキサス   牡 8 57.0kg  柴田善臣 2:33.9 ハナ     478Kg  +4 増沢末夫 12
 12   7 11    イブキガバメント  牡 5 57.0kg  河内洋  2:34.6 4馬身    490Kg  -8 橋口弘次 10
 13   3  3 (抽)ホットシークレット せ 5 57.0kg  横山典弘 2:34.9 1 3/4馬身  452Kg  +2 後藤由之  9
 -------------------------------------------------------------------------------------------------
 ハロンタイム   6.9 - 12.0 - 12.1 - 12.1 - 12.7 - 13.6 - 13.2 - 12.6
        - 11.8 - 11.5 - 11.3 - 11.3 - 12.0  
 上り  4F 46.1 - 3F 34.6 
 1コーナー  2-9,1,6(7,13)(4,12)(8,5,11)(3,10)  
 2コーナー  2,9,1(7,6)(8,13)(4,12)(5,11)(3,10)  
 3コーナー(2周目)  2,1(9,6,13,11)(3,12)(7,10)(4,5)8  
 4コーナー(2周目)  2(9,1)(6,13)(7,12,11)(3,4)(8,10,5)  

 <払戻金> 
 単勝 04   710円  3番人気  枠連   1- 4 20,680円 25番人気
 複勝 04   290円  4番人気  馬連  01-04 48,650円 51番人気
    01 2,560円 13番人気  ワイド 01-04  9,640円 54番人気
    02   530円  6番人気      02-04  1,720円 18番人気
                         01-02 15,050円 62番人気




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